備前長船の日本刀編

2024年8月21日放送~9月4日放送(全3回)

備前長船
2024年8月21日放送

今回の舞台は日本刀ブームの中、刀剣ファンから注目される「備前長船」。

織田信長、豊臣秀吉、上杉謙信など、多くの武将が愛用。
いくつも名刀を生み出し、一大産地として栄えた刀剣の里。
なんと、国宝や重要文化財に指定されている刀剣のおよそ4割が備前刀です。

なぜ、これほどまでに人々を惹きつけ続ける名刀が生まれるのか?
その理由を探ります。

冨永愛が訪れたのは、岡山県瀬戸内市にある「備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館」。
ここは、備前刀を中心に刀剣を展示している全国でも珍しい博物館で、職人たちの制作工程を実際に見学することができる施設。

ここには、国宝の「太刀無銘一文字 (山鳥毛)」も所蔵されています。

そして、現代刀職展で5回も優秀賞に輝いた刀匠、安藤 広康さんのもとで冨永愛が小刀作りに挑戦!

小刀作りの中で、人々を魅了する備前刀の魅力が見えてきました。

備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館 

岡山県瀬戸内市長船966番地
休館日 毎週月曜日(休日の場合は翌平日に振り替え)
祝日の翌日(土曜日・日曜日は除く)
年末年始(12月28日~1月5日)
展示替え時 ※2024年8月19日(月)~23日(金)は休館
開館時間 午前9時~午後5時(入場:午後4時30分まで)
国宝・山鳥毛の展示期間 2024年8月24日(土)~9月23日(月) ※入館は要予約

刀匠 安藤 広康さん

1998年、父 安藤広清氏に師事し、この道に入る。
優れた刀を競い合う「現代刀職展」では、2017、19、20、21、22年と優秀賞に輝く。
日々追求しているのは、大半の現代刀には見られない地鉄の「映り」と呼ばれる部分の表現。独自に研究を重ね、「映り」を表現することに成功したが、まだ理想には程遠いと、日々更なる研究を重ねている。
また、島根県仁多郡奥出雲町の「日刀保たたら」に22年間従事し、村下養成員として活躍し、文化財保護に貢献している。

備前長船の刀工対談
2024年8月28日放送

いくつもの名刀を生み出した備前長船。
国宝や重要文化財に指定されている刀剣のおよそ4割が備前刀です。

前回、挑戦した小刀作りもいよいよ大詰め!
冨永愛が作った波状の刃文の出来栄えは?

備前刀は7人の専門職人によって、1つの刀が作られます。
しかし、職人たちが一同に集まることは滅多にないそうです。

そこで、今回は特別に職人たちに集まっていただき、
お互いの仕事について本音を語り合います。
普段は見られない職人の素顔や貴重な裏話は必見です!

「北陸の伝統を未来へ紡ぐ」では、能登半島地震で被災した「大樋焼」を紹介します。
祖父、父の代から受け継いできた大事な作品が割れてしまった中、
伝統を紡ぐために新しい発想の大樋焼を作りあげました。

研師 横山 智庸さん

研師はその名の通り刀身を研ぎ、切れ味と美しさを整える職人。
横山さんは2003年、中尾豊次氏に入門。
「現代刀職展」では2020年に「竹屋賞」、2023年「木屋賞」を受賞。
これは刀剣研磨で有名な「研ぎ三家」(本阿弥・木屋・竹屋)の屋号を冠した特賞。

白銀師 武藤 健さん

白銀師は鞘と刀身を固定する「鎺(はばき)」という装飾具を作る職人。
武藤さんは2018年に、刀剣研磨・外装技術研修会に参加。
2024年から備前長船刀剣博物館にて実演を行っている。

鞘師 石崎 三郎さん

鞘師は刀を納める鞘を作る職人
石崎さんは1969年、鞘師の父の石﨑馨に師事。
刀剣研磨、外装技術発表会(鞘の部)では特賞1回、優秀賞3回、努力賞9回の実績を誇る。

塗師 岸野 輝仁さん

塗師は鞘に漆を塗り重ね、強度と美しさを生み出していく職人。
岸野さんは1997年、備中漆を用いた独自の漆芸技法「油枩堆錦」を完成させたことで知られる漆芸家・山口松太氏に入門。
2023年、現代刀職展では、刀装の部 努力賞二席を受賞した。

柄巻師 橋本 幸律さん

柄巻師は、刀を握る「柄」と呼ばれる部分を鮫皮や組紐で巻く職人。
2007年、日本美術刀剣保存協会によって、同会が主催する新作刀コンクールにおいて特賞を複数回以上受賞して認定される「無鑑査」に認定された、三谷 修史氏に入門。
昨年の「現代刀職展」で会長賞を受賞した。

橋本さんは8月に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

備前長船の刀工対談②
2024年9月4日放送

いくつもの名刀を生み出した刀剣の里、備前長船。

冨永愛の小刀作りもいよいよ大詰め!
熟練の研師に教えていただきながら刀身を研いで、綺麗な刃文を目指していきます。

美しい刃文と鋭い切れ味を生み出す研師に仕上げていただいた小刀は想像以上の出来栄えに!

7人の専門職人によって、1つの刀が作られる備前刀。
それぞれの職人たちの作業場をまわり、その技やこだわりなどを聞いていきます。

前回に引き続き、備前刀の職人たちが一堂に会し、貴重な座談会を行ないました。
※装剣金工師の方がロケ不参加のため座談会は6人+冨永愛で行ないました。

職人が思ういい刀とは?1口の刀を作る上で大変なことは?違う刀工の職人になるとしたら、どの職人を選ぶのか?など、貴重なトークが満載です!

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