


史実に基づく、世紀の愛憎劇。
オスマン帝国のハレムに献上されるため、奴隷船に乗せられ連れてこられたアレクサンドラ。絶望のあまり死ぬことさえ恐れていなかったが、夢枕に立った両親の言葉に後押しされ、このハレムの中で生き抜くことを決意する。皇帝であるスレイマンの夜伽に召され、寵愛を受けることに成功したアレクサンドラは、"ヒュッレム"という名を賜る。第一子となる息子メフメト、第二子の娘ミフリマーフ、第三子の息子セリムと次々と皇帝の子を産み、後宮での立場を強くしていくヒュッレムだったが…。
皇帝の妹ハティジェと結婚した大宰相イブラヒムの邸宅で、スレイマンの命が狙われる事件が起こる。皇帝の命を狙った側女のサドゥカは、ハンガリー王国のスパイであることが発覚。さらに、宮廷史家であるマトラークチュから紹介されたイブラヒムが彼女を後宮に入れたと知り、スレイマンはイブラヒムに激怒し疑惑の目を向け始める。この一件で、ハンガリー王国に攻め入ることを決めたスレイマンは、マヒデブランの子、ムスタファを連れ帝国軍野営地に向かう。それを知ったヒュッレムの心は穏やかではなく、マヒデブランとその子ムスタファを忌々しく思う。そんな中、ハティジェの妊娠が発覚するが、イブラヒムが遠征から戻ってくるまで伝えないと決めていた。 しかし、ヒュッレムはスレイマン宛への手紙に書いてしまい、ハティジェの逆鱗に触れることに…。
さらに、ある事件をきかっけにイブラヒムとの確執を深めたヒュッレムは彼の死を望んでいたが、イブラヒムが考えた作戦により帝国軍は見事2時間でハンガリー王国を破り勝利したとの知らせが届く。そこでヒュッレムは、名高い占星術師を秘密裏に呼び出し、ある恐ろしい策略をめぐらせ始める…。
嫉妬と欲望、愛と裏切り、様々は思惑が渦巻く後宮で、皇帝の愛と不動の権力を手に入れるため、手段を選ばないヒュッレムの戦いは熾烈さを増していく―。