2020年10月24日 初回放送
イタリアの北、雄大な自然が広がるカルニア地方。その一角に、山に囲まれた小さな村・
サウリスがある。15世紀、戦争から逃れてきたドイツ人兵士によって作られたといわれる
この村には、今も独自の文化が根付く。
１０年前にこの村を訪れたときに出会ったのは、サウリス伝統の建築技術で家を作ってきた元大工の男性。そして、人里離れた山奥でたくさんの動物たちに囲まれながら、食堂を切り盛りする女主人。
元大工の男性は、引退した後も毎日のように息子たちの建築会社の様子を見にやってきていた。仕事を継いだ息子たちは誇りだったが、唯一孫がいない事だけが不満だった。１０年経って上の息子が結婚し、可愛い２人の孫娘が生まれた。早くに父を亡くし苦労の多かった人生。孫たちの存在がご褒美だと考えている。
一方、女主人が営む山奥の食堂。ここは、客にとっておしゃべりを楽しむ場だ。悲しい時、嬉しい時、彼女はいつでも真剣に話を聞いてくれる。誰にでも優しい彼女だが、その陰には深い悲しみがあった。長男を３６歳の若さで亡くしているのだ。悲しみが深いからこそ、人にやさしくできるのだと彼女は語る。１０年経って、かつてのように息子の墓参りのために村へ降りることもめっきり減った。しかし、今も寝る前に息子の事を思ってろうそくに火を灯す。彼女は食堂で一人暮らしだけど、息子の存在をいつもそばに感じている。
使用楽曲
Mi manchi / Gianni Morandi
Ciliegi rosa / Nilla Pizzi
Piccoli studi / Ennio Morricone
Empty - Instrmental version / Paolo Buonvino
Odessa / Ludovico Einaudi
Stasera Ti Amo (#3) / Ennio Morricone
「L'APPUNTAMENTO」／ラ・プンタメント
ORNELLA VANONI／オルネラ・ヴァノーニ