村の中心にある精肉店を営む女性が店を始めたのは7年前。それまでは村の農園で働いていたが、子供を身ごもり、別の仕事を探そうとしていた時に村の精肉店が閉まることを聞き、姉と二人で始めることにしたのだ。でも姉との共同経営はうまくいかず、オープンしてわずか1年で廃業の危機に陥った。そんな時、手を差し伸べてくれたのは村人たちだった。
もう一人は、20年前に村に移り住みリストランテを開いた男性。ワイン蔵を改築した小さな店だが、外国からも予約が入るほどの人気店だ。街の料理専門学校で学び、夢は都会で大きな店を開いて世界中の人に自分の料理を食べてもらうことだった。でも観光客がほとんど来ないこの小さな村でリストランテをやることを選んだのは、そばで支えてくれる家族や仲間たちが居たからだった。