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©BS日テレ©BS日テレ世界遺産 巡礼の道を行く フランスからスペインへ 祈りと再生の1500キロ

2013年12月4日 放送

フランス南部から国境を越え、スペイン北西部へと続く一本の道があります。
総延長1500キロにも及ぶこの道はキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼の道です。

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巡礼の旅は、フランス・オーヴェルニュ地方の古都
「ル・ピュイ・アン・ヴレー」から始まります。
スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」へ向かう巡礼は、
11世紀ごろから盛んに行われていたとされ、
その当時からル・ピュイ・アン・ヴレーはこの地方の文化の中心として栄えてきました。
旧市街にある「ノートルダム・デュ・ピュイ大聖堂」は、
キリストの弟子のひとりである聖ヤコブの遺骸があるとされています。
フランスには巡礼の道が4つあり、
その道と街道沿いの古い建物は1998年に世界遺産へ登録されました。

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国境を越えてスペイン・アラゴン地方へ向かう
巡礼の道の難所のひとつピレネー山脈。
アラゴン地方の山間の村「サンタ・クルス」から見上げる山の中に、
「サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院」があります。
1025年に岩山の下に建てられました。
8世紀から11世紀にかけて、スペインはイスラム勢力の支配を受けていました。
当時迫害されたキリスト教徒の一部がこの山奥の岩山に隠れたといいます。

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国境を越えておよそ120キロ。
巡礼の街プエンテ・ラ・レイナに辿りつきます。
プエンテ・ラ・レイナは「王妃の橋」を意味します。
増水した川に行く手をさえぎられた巡礼者のため、
11世紀にこの地方の王妃が私財を投じて橋を造ったと言われています。
ロマネスク建築の半円アーチの橋は、巡礼の道の絶景ポイントのひとつです。

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プエンテ・ラ・レイナから西へ向かうと、
星が降る街と呼ばれる「エステーリャ」があります。
かつて羊飼いが星降る場所でマリア像を見つけた事から、
星を意味する名前がつけられました。
「エステーリャ」近郊はワインの名産地でもあります。
中世、ワイン造りは修道院でも行われていました。
修道院からブドウ畑を買い取ったワイナリーが、
1891年からワインと水を無料で提供しています。

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カスティーリャ地方の標高850メートルの高原にブルゴスがあります。
ブルゴスの象徴とされるブルゴス大聖堂は1984年に世界遺産に登録されています。
16世紀に完成したスペインを代表するカテドラルの一つです。
その建築期間はおよそ300年。
高さ54メートルの尖塔が特徴的な、スペインゴシック建築の最高傑作といわれています。

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フランス南部の街ル・ピュイ・アン・ヴレーからおよそ1500キロの地に、
スペインの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」があります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街は、
カテドラルとともに1985年に世界遺産に登録されました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラからおよそ90キロ。
巡礼の終着地は、大西洋を臨むスペイン最西端の地「フィステーラ」です。
「フィステーラ」は、「地の果て」を意味します。
海抜238メートルの岬の突端に巡礼者が目指す場所があります。
岬の先端には、ここが巡礼の道の終着地であることを示す十字架がおかれています。

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「巡礼の道」のシンボルとされる帆立貝。
「ビーナスの誕生」でも描かれているように、古代の神話では「再生」を意味するそうです。
長く辛い旅を経て聖地に辿り着いた巡礼者たちは、
その経験と達成感を力にして新たな自分に生まれ変わるのかもしれません。

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