水紀行ラインナップ
©BS日テレ恵みの大地が生む美食と芸術 イタリア ポー川

2014年9月17日 放送

全長652キロ、アルプスからイタリアを横断し、アドリア海に注ぐ大河、ポー川。
その川沿いは芸術や美食、世界遺産の美しい風景が点在しています。

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イタリア北西部。川岸に中世の佇まいを見せる「トリノ」の街。
イタリアを代表する芸術と文化の都です。
街は16世紀、フランスのサヴォイア家による統治の時代に大きく発展しました。

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トリノから下流へ約240キロ、パルマの街があります。
美食と芸術の街パルマの旧市街に、聖マリア・アッスンタ大聖堂、通称「パルマ大聖堂」があります。建築されたのは12世紀。
当時のイタリアロマネスク建築を代表する建物の一つとされています。

大聖堂の天井画で最も有名なのが、クーポラと呼ばれるドーム部分に描かれたものです。
16世紀ルネサンス時代の画家コレッジョによる、「聖母被昇天」です。
聖母マリアの死から3日後、肉体と魂が天に召される場面が描かれています。

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パルマ周辺には、最高級食材の生ハム「クラテッロ」の生産地があります。
にんにくを浸した発泡赤ワインをかけた豚肉に、粗塩とこしょうを塗り込み、熟成させたのがクラテッロです。
良質のクラテッロ作りに欠かせないのが、熟成期間中の湿度と温度の管理。
これがクラテッロの旨みを育てています。

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パルマから東へ約145キロ、川面にその姿を映す世界遺産の街があります。
ポー川の支流、ポー・ディ・ヴォラーノ川沿いの街、フェッラーラです。
中世ルネサンス時代の旧市街が、ポー川の下流に広がるデルタ地帯と共に、世界遺産に登録されています。
その旧市街の中心を成すのが、12世紀初頭に建設された大聖堂です。
建物の正面の壁は、大理石で三層にわたり細かな装飾が施されています。

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652キロの旅を経てアドリア海に注ぐポー川。
その最下流に、フェッラーラの旧市街と共に世界遺産に登録された広大なデルタ地帯が広がります。
肥沃な湿地帯は、1000種以上の植物と300種以上の鳥類が生息する野生の楽園です。

デルタ地帯の一画に、美しい水郷の街「コマッキオ」があります。
19世紀に行われた大規模な干拓工事によって形作られた街は、漁業や農業のほか観光地としても人気を集めています。

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コマッキオの街周辺に広がる肥沃な大地。世界的に有名な、ワインの名産地でもあります。
ポー川の河口近く、アドリア海を望むポー平原は、ワイン用のブドウの名品種フォルターナの産地として知られています。

海とポー川の影響で砂地になった土壌には塩分が含まれ、ワインはキレのある味わいになると言います。

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ポー川周辺は、湿地を利用したアクティビティも盛んです。その一つが乗馬です。
フランスの湿地帯カマルグ原産の馬で、水辺のトレッキングを楽しめる場所もあります。

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豊かな生態系が育まれる水辺には多くの鳥達も暮らしています。

アフリカ大陸とヨーロッパを行き来するフラミンゴもいます。
肥沃で比較的安全なポー川のデルタ地帯は、ヨーロッパ有数の観測スポットです。

環境汚染によりヨーロッパのフラミンゴ飛来地が減少する中、コマッキオ周辺は地元の人たちの努力により、いまだに楽園が残されています。

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