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©BS日テレ©BS日テレ伝統が奏でる迷宮の街 モロッコ フェズからメクネスへ

2014年8月20日 初回放送

モロッコ北部の街「フェズ」。街の歴史は9世紀初頭にまで遡ります。
808年、イスラム王朝の首都として建設され発展しました。旧市街は1千年以上前の佇まいを今も残し、1981年に世界遺産に登録されています。旧市街の狭い路地では、今もロバや馬が重要な輸送手段です。建物が密集しているため、複雑に入り組んだ狭い路地は「世界一の迷路」とも呼ばれています。

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旧市街は活気溢れる職人の街でもあります。金属製品を扱うエリアがあり、ランプや食器など職人による手作りの伝統工芸品が売られています。
その中にドアへ付けるノッカーがあります。手の形をしたものが多く見られます。それらは「ファティマの手」と呼ばれるモロッコで人気のドアノッカーです。幸運をもたらすと伝えられている「ファティマの手」。家の玄関に付けることで身を守ってくれると伝えられてきました。

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旧市街には古い水場が点在しています。水場にはイスラム伝統の幾何学模様がタイルで描かれています。イスラム教では偶像崇拝が禁じられているため、植物や建物などのデザインが発展したといいます。
1913年に建造された「ブー・ジュルード門」は、美しい模様のタイルが施され、旧市街のシンボルになっています。門にはイスラム教の聖なる色と言われる、緑のタイルが施され、人々の旧市街への思いが表れています。

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フェズには革なめしの職人がいます。「革なめし」とは、動物の皮に柔らかさと耐久性を持たせる作業です。その方法は毛皮を水でよく洗います。水で洗うことで革を柔らかくします。次に毛を取り除きます。水洗いした後の皮は、素手で毛をむしり取れるほどやわらかくなります。皮のなめし作業には、どの工程でも大量の水が使われます。上質の革製品には上質の水が欠かせません。

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旧市街の一画にアラブ伝統の「ヘナ」の店があります。アラブの国々では「ヘナ」の染料で、肌に模様を描く習慣が古くからあります。アラブの女性は全身を服で覆う伝統があるため、露出している手や顔に「ヘナ」を施したといいます。
モロッコでは古くから刺繍が女性の重要な仕事とされ、母親から娘へと受け継がれてきました。柄には意味があります。かつてあまり外に出ることがなかったモロッコの女性たち。柄は自分の家で見た噴水や植物が幾何学模様で描かれています。

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モロッコの伝統料理にクスクスがあります。先住民の言葉で「丸められたもの」という名の通り、小麦粉を蒸して丸めて主食として食べます。
モロッコのクスクスは、家ごとに代々受け継がれた味があるそうです。
フェズの西に位置する「メクネス」は千年以上の歴史を持つ古都です。城壁に囲まれ、中世の佇まいを残す街は、1996年に世界遺産に登録されています。旧市街の広場に面する「マンスール門」。モロッコ国内で最も美しい門の一つと言われています。

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メクネスは水の豊かな街としても知られます。モロッコには水売りと呼ばれる職業があります。赤い服と色鮮やかな帽子が目印です。メクネスの水は国内有数の名水とされています。
メクネスの街の周囲には、その豊かな水に支えられた広大な農地が広がります。
特にぶどうの栽培が盛んです。モロッコはイスラムの国では珍しくワイン作りが盛んです。モロッコワインは、本場フランスにも輸出されていました。

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