水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ地中海鉄道で巡る世界遺産と美食の聖地 南仏プロヴァンス

2014年5月12日 初回放送

©BS日テレ

©BS日テレ

フランスのスペイン国境から約650キロ離れたコート・ダ・ジュールのニースまで紺碧の地中海沿いを走る列車、通称「地中海鉄道」に揺られて旅をします。今回の出発地はフランス南西部の街ペルピニアン。
17世紀までスペイン・カタルニア地方に属していた町は今もスペインの面影を色濃く残しています。出発して20分ほどで線路の両側に地中海沿岸のラグーンが広がる、この路線ならではの沿線風景と出会います。
ラグーンとはこの場合珊瑚礁の湖ではなく海から砂州で隔てられた海水の湖を指します。

©BS日テレ

©BS日テレ

ラグーンを過ぎて1時間半ほどで列車は南仏プロヴァンスの古都ニームに到着します。ニームはフランスで一番古いローマ都市として知られており、街の中心にはローマ時代の「古代闘技場」が今もその威容を誇っています。
長径133メートル短径101メートルの楕円形。ローマ時代の闘技場としてはけして大きくはありませんが保存状態の良さは世界一だと言われています。
ニームの郊外にはローマ時代の水道橋「ポン・デュ・ガール」が残されています。
高さ48メートル、長さ275メートル。ニームから50キロ離れた水源地から1日約2万立方メートルの水を送っていました。
古代ローマの土木技術の粋を集めたこの水道橋は1985年に世界遺産に登録されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

地中海鉄道は続いてプロヴァンス地方の中心地アヴィニョンに到着します。
14世紀、フランス国王と対立したローマ教皇クレメンス1世がこの地で囚われの身となり以来70年間にわたってアヴィニョンは第2のローマとして栄華を極めました。歴代教皇が過ごした中世の面影を残す旧市街はアヴィニョン歴史地区として世界遺産に登録されています。
また町を流れるローヌ川にかかる「サン・ベネゼ橋」は「アヴィニョンの橋の上で」という童謡で知られています。
橋の完成は12世紀。対岸まで900メートルを繋いでいましたが、その後の洪水や戦争により22あったアーチは現在4つしか残っていません。

©BS日テレ

©BS日テレ

地中海鉄道は港町マルセイユに到着しました。
紀元前7世紀に古代ギリシャ人が港を開いたことから始まる、フランス最古の都市です。その後海上貿易の拠点として繁栄し 現在も地中海最大の港湾都市にしてフランス第2の大都会です。
港を見下ろす丘の上に、この町のシンボル「ノートルダム・ドゥ・ラ・ギャルド大聖堂」が建っています。最初に聖堂が建てられたのは1214年。
その後1864年に大聖堂が完成しました。高さ46メートルの鐘楼の上では金メッキのマリア像が航海に出る人々の安全を見守っています。
聖堂内には航海の無事を祈る船の模型や絵画が飾られています。

©BS日テレ

©BS日テレ

マルセイユの港からクルーズ船で沖合に浮かぶイフ島へ向かいます。
島にはフランス人作家アレクサンドル・デュマの代表作「巌窟王」の舞台として知られる「イフ城」があります。イフ城はもともと要塞として建設され、その後、脱獄困難な監獄として政治犯などが収容されました。
またマルセイユはシーフード料理の「ブイヤベース」で知られています。
マルセイユには「ブイヤベース憲章」というものがあり、そのレシピが厳しく定められているそうです。マルセイユ生まれの素朴な漁師料理は今や世界3大スープの一つにその名があげられています。

©BS日テレ

©BS日テレ

マルセイユからローカル線で45分のエクス・アン・プロヴァンスを訪ねます。中世には大学がつくられるなど学問の中心地でした。
街の名前のエクスは「水」を意味するとされ、街の広場にあるロトンドと呼ばれる噴水をはじめ、街中には100を超す噴水があり、「水の街」の別名もあります。この街はまたフランスを代表する画家の一人、ポール・セザンヌの生まれ故郷としても知られています。街には彼が最晩年を過ごしたアトリエも当時のまま残されています。その近くからはセザンヌが好んで描いたサントヴィクトワール山の姿を望め、「近代絵画の父」と呼ばれたセザンヌの世界に触れることが出来ます。
地中海鉄道はこの後マルセイユからコート・ダ・ジュールのニースを目指します。

▲ページトップへ

BS日テレ