水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレヘミングウェイが愛した情熱の大陸 スペイン サラゴサからパンプローナへ

2014年2月26日 放送

スペイン北東部。カンタブリア山脈を水源とし地中海へ注ぐエブロ川。
全長およそ910キロ、イベリア半島で最大の水量を誇ります。
エブロ川の中流に位置する街「サラゴサ」。
現在120万人程が暮らす街の歴史は、イベリア半島にローマが侵攻した紀元前3世紀頃まで遡ります。紀元前1世紀にはローマの殖民都市として整備されました。市内には今もローマ時代に造られた橋や劇場などの遺跡が残っています。

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スペイン特有の建築スタイル、ムデハル様式で建てられた「サン・サルバドール大聖堂」。「ムデハル」は、カトリックとイスラム文化が融合した建築様式です。キリスト教国がイスラム勢力からイベリア半島を奪い返した12世紀以降に流行しました。大聖堂は当時の歴史を伝える貴重な資料として、他のムデハル建築とともに2001年に世界遺産に登録されています。
同じくムデハル様式の「アルハフェリア宮殿」。
11世紀に建てられたイスラムの宮殿を、14世紀にカトリックの国王が改築しました。庭園を潤す水場も、イスラム人の嗜好によって建設されました。

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エブロ川の畔に立つ「ピラール聖母教会」。教会の建築はエブロ河畔に現れた聖母マリアが、信仰の礎となる柱を差し出した事から始まったと言われています。現在の建物は19世紀に完成しました。
祭壇の上部にフランシス・ゴヤが描いた天上画あります。ゴヤは、スペインの美術史上最高の画家の一人とされています。

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スペイン北東部。サラゴサから北西へおよそ300キロ程のところにログローニョがあります。初秋の9月に、街ではブドウの収穫祭が行われます。
祭りで最も重要な儀式は、初摘みのブドウを搾り、この地方の守護聖母に捧げることです。ブドウを入れた桶に民族衣装をまとった男性が入り、ブドウを踏み潰し、その最初の絞り汁を捧げます。
エブロ河畔に広がるブドウ畑。エブロ川の流れが長い時間をかけて運んできた砂は、水はけが良くブドウの栽培には最適です。
ローマ時代から続く、長い歴史がログローニョの伝統的なワインを作り上げたのです。

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フランスとの国境に横たわるピレネー山脈の西に位置する街がこの地方の中心都市「パンプローナ」です。旧市街にはパンプローナのカテドラルがあります。カテドラルには街の守護聖人サン・フェルミンが祀られています。
そのサン・フェルミンの名を冠した400年以上の歴史を持つ祭りがサン・フェルミン祭です。世界中から250万人もの観光客が見物に訪れます。
このお祭りのイベントで最も人気があるのが「牛追い祭り」。
闘牛場までのおよそ800メートルを闘牛用の牛12頭と追いかけっこをします。

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この牛追い祭りを世界に知らしめたのが、文豪アーネスト・ヘミングウェイです。1923年、初めて牛追い祭りを見たヘミングウェイは、3年後に発表した「日はまた昇る」でこの祭りを描きます。
一目で祭りの虜となったヘミングウェイは、その後、何度も祭りの時期にはこの街を訪れたといいます。
牛追い祭りの街パンプローナの郊外にブルゲーテの村があります。
かつてヘミングウェイが逗留した宿があります。ホテル「ブルゲーテ」です。
ヘミングウェイはこの村の牧歌的な風景や豊かな自然にも魅せられていたそうです。村には当時のヘミングウェイの様子が今も語り継がれています。
いわく、彼の釣りはあまり上手ではなく、それでも、釣りとワインと昼寝を心から楽しんでいたそうです。

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