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©BS日テレ©BS日テレ誇りと美食と芸術と スペイン バスク地方

2014年1月8日 初回放送

スペイン北東部。ピレネー山脈の西に位置する「バスク地方」。
この地域の中心を成すのが「ビルバオ」です。街の中心部を流れる「ビルバオ川」。流域には鉄の鉱山が多く19世紀産業革命以後、「ビルバオ」は鉄鉱の街として発展しました。
当時「スペイン一」と言われた街の繁栄を今に伝えるのが、「ビスカヤ橋」です。
1893年に世界初のゴンドラの運搬橋として建てられました。
全長164メートル。橋の高さは50メートル。大型船が通る際にも邪魔にならないよう設計されました。
「ビスカヤ橋」は、近現代の技術的進歩を示すとして2006年に世界遺産に登録されました。

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1990年代に入り、ビルバオは「工業の街」から「芸術の街」へ観光地として、川辺を中心に再開発を目指しました。その象徴が、1997年にオープンしたグッゲンハイム美術館です。金属を不規則に合わせたような建物の造形は、現代最新の建築様式の傑作とされています。

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ビルバオの街から東へおよそ80キロに位置するサン・セバスチャン。サマーシーズンには世界中から観光客がやって来るスペイン屈指のリゾート地として知られています。
海沿いに19世紀の宮殿が建っています。「ミラマール宮殿」です。
かつてヨーロッパを席巻したハプスブルク家の王妃が避暑のために建築しました。

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サン・セバスチャンは、美食の街としても知られています。繁華街には、スペイン伝統の飲食店バルが連なっています。
バルの定番料理ピンチョスは串にさしたおつまみ。ベーコンとピーマンにソーセージを詰めて揚げた物やピーマンとオリーブの実、卵をあわせたものなど、それぞれ手が込んでいます。
サン・セバスチャンには、美食の街ならではの一風変わったサークルがあります。名前は「美食クラブ」。バスク地方だけに古くからある男性だけの料理クラブです。
男性だけが集まって得意料理を楽しむこうしたクラブが、100以上あるといいます。

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バスク地方の沿岸は、かつて捕鯨が盛んでした。16世紀の最盛期には、4000人もの漁師が50隻の捕鯨船で出港したというバスクのクジラ漁。その後、戦争などの影響でバスクの捕鯨は衰退していきました。
バスクの捕鯨文化を後世に伝えようとしている人たちがいます。
元漁師を中心とした人たちが、かつての捕鯨の様子やクジラへの思いを歌い継いでいるのです。
また、捕鯨時代の習慣が、あるスポーツ文化に姿を変えて街の人々に引き継がれています。ビスケー湾を舞台にしたレガッタレースです。ビスケー湾沿岸の街には、全部で12のボートチームがあり、半年間かけてリーグ戦を行なっています。
捕鯨の時代は生活の為、そして今は街の名誉と人々の楽しみの為に競われます。

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