水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレスペイン 癒しの巡礼の道 ピレネーから世界遺産の街ブルゴスへ

2013年12月25日 放送

なだらかな丘陵地帯が広がるスペイン北部にローマ、エルサレムに並びキリスト教三大聖地の一つとされる
サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼の道があります。
フランスとの国境線が走るピレネー山脈からおよそ800キロにもおよぶサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は
1993年に世界遺産に登録されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

北部アラゴン地方から巡礼の旅を始めます。
アラゴン地方の山間の村「サンタ・クルス」から見上げる山の中に、
ひとつの聖地があります。
岩肌に佇む「サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院」です。
かつて修道院に隠れたキリスト教徒たちは岩山に水場を作り、
僅かな雨水をためる事で渇きを癒していました。
巡礼の道を旅する人々は、この修道院の水で祈りの思いを新たにします。

©BS日テレ

©BS日テレ

アラゴン地方から巡礼の道を西へ。
ナバーラ地方はある聖人の故郷として知られます。
戦国時代、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルです。
1506年にこの地方の言葉で
新しい家を意味する「ハビエル城」の貴族の子として生まれました。

©BS日テレ

©BS日テレ

「山々に囲まれた土地」を語源とするナバーラ地方。
巡礼の道もアップダウンを繰り返します。
国境を越えておよそ120キロ。
巡礼の街プエンテ・ラ・レイナに辿りつきます。
ナバーラ地方はピーマンの名産地として知られ、
街を通る巡礼の道の沿道に野菜市場が開かれています。
ピーマンはアメリカ大陸が原産で、スペインには大航海時代に渡ってきました。
以来、スペイン料理には欠かせない食材の一つとなりました。

©BS日テレ

©BS日テレ

ピレネー山脈から西へおよそ250キロ。
巡礼の道はやがてトル・デル・リオの村に入ります。
村には中世のテンプル騎士団が建てたとされる
セント・セプルクロ教会があります。
神聖な雰囲気の中、
偶然居合わせた見ず知らずの人々の間から自然に賛美歌が湧き出てきました。
その歌声は同じ目的をもつ者同士の心の共鳴のように聞こえます。

©BS日テレ

©BS日テレ

ピレネー山脈の西およそ400キロに位置するカスティーリャ地方。
標高850メートルの高原にブルゴスがあります。
街には16世紀に完成したスペインを代表するカテドラルがあります。
1984年に世界遺産に登録されたブルゴスのカテドラルです。
その建築期間はおよそ300年。
高さ54メートルの尖塔が特徴的な、
スペインゴシック建築の最高傑作といわれています。

©BS日テレ

©BS日テレ

ブルゴスから西へおよそ50キロ。
カストロヘリス村があります。
巡礼の道をまたぐように立つサン・アントン旧修道院。
修道院が廃止されたあと、巡礼者のために宿泊施設に改築されました。
宿泊費と食費は無料ですが、巡礼者の多くは寄付という形でお金を置いていきます。
出身地も巡礼の目的も違う人同士が、同じテーブルで食事をします。
巡礼の道には、人々を温かくもてなす文化がありました。

©BS日テレ

©BS日テレ

様々な思いで道を行く人々。
巡礼の道は1000年の間、そんな人々を見つめてきました。
イエス・キリストは弟子たちにこう教えました。
「この地上は権力者が人々を支配し、威張り散らすものなのです。
しかしそうなってはならないのです。人々に奉仕する者が最も偉大なのです。」

▲ページトップへ

BS日テレ