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©BS日テレ©BS日テレ豊穣なる巡礼路 フランチジェナ街道を行く イタリア トスカーナ地方

2013年12月18日 放送

イギリスのカンタベリーからフランス、スイスを通りローマへと続く1600キロもの道のり「フランチジェナ街道」。
フランク王国によって拡張されたその街道は中世、聖地ローマへの巡礼の道として多くの旅人が往来しました。
沿道には当時の面影を残す小さな街が幾つも残っています。

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イタリア中部、フィレンツェなどの古都で知られる「トスカーナ地方」。
川のほとりに、かつての巡礼者が訪れた街「ルッカ」があります。
ルッカの旧市街は、城壁に囲まれた中世の要塞都市の姿を今に伝えています。
城壁の高さはおよそ12メートル。
古代ローマ時代から中世にかけて延長されたもので、その長さは4キロに達します。
城壁の上は、イタリア半島の統一が成された19世紀に遊歩道として整備されました。
現在は市民や観光客の憩いの場となっています。

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ルッカの旧市街には聖地を目指す人々の重要な祈りの場所があります。
「サン・マルティーノ大聖堂」です。
11世紀から13世紀にかけて建設されました。
重厚な半円形のアーチに、当時のロマネスク建築の特徴が見て取れます。
聖堂内部は14世紀に改築され、直線を強調したゴシック様式に彩られています。

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標高およそ300メートルの丘の上に広がる中世の街「サン・ジミニャーノ」。
ピサとフィレンツェを結ぶピサーナ街道と巡礼の道の交差点にあることから、
10世紀以降、流通の要衝として発展しました。
サン・ジミニャーノは「塔の街」としても知られています。
現在も残る14本の塔で最も高いのが「グロッサの塔」です。
街から突き出して天をさす塔は中世の貴族たちが自らの権力を示すために、
その高さを競い合って建てたといいます。
サン・ジミニャーノの街はその歴史的価値が20世紀に改めて認められ、
1990年に世界遺産に登録されました。

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サン・ジミニャーノから南へ70キロほど行くと、
「モンタルチーノ」の街があります。
海抜564メートルの高台に位置し、
見晴らしが良いことから古くは軍事拠点として
イタリア半島の国々が所有権を争ってきました。

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「モンタルチーノ」から東へおよそ20キロ。
街道沿いに佇む小さな街「バーニョ・ヴィニョーニ」があります。
街の名前の「バーニョ」は、イタリア語で「お風呂」を意味します。
その名の通り街の中心部には500年前の大浴槽の遺跡があります。
古代ローマ時代から温泉が湧き出ていたといわれています。

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トスカーナ地方で、フランチジェナ街道の最南端に位置する街「ピエンツァ」。
東西400メートルほどの小さな街ですが、
真っ直ぐだった道にカーブをつけて長くするなど
少しでも大きく見える工夫がされています。
中世ルネサンスに彩られた街並みは「トスカーナの宝石」とも呼ばれ、
1996年に世界遺産に登録されています。

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フィレンツェの南、およそ90キロに位置する丘陵地帯。
数世紀にわたる土壌改良で生み出された「オルチア渓谷」です。
広さおよそ180平方キロメートルという広大な丘陵地帯は、
自然公園として保護されています。
「オルチア渓谷」はその景観の素晴らしさから、2004年に世界遺産に登録されています。

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巡礼の道「フランチジェナ街道」の途中には、
聖地ローマにも劣らない、祝福された幾つもの街がありました。
中世の旅人はその地で祈りをささげ、
疲れを癒し、再び歩き始めたのです。

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