水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ湖水に抱かれた国境の町々 スイス ティチーノ地方

2013年11月27日 放送

スイス南部。
イタリアと国境を接するティチーノ地方。
アルプスの峰々が北風を遮り、地中海から暖かな空気が流れ込む温暖な土地です。
自然豊かなこの街は、「スイスの中のイタリア」と呼ばれています。

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ティチーノ地方で最大の都市が、湖畔の街「ルガーノ」です。
およそ5万7000人が暮らしています。
街の名前はイタリア語で「聖なる森」を意味します。
この地を代表するスポットの一つ「ルガーノ湖」。
およそ49k㎡と東京の練馬区ほどの広さで、
アルファベットのQの文字のような複雑な形をしています。

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ルガーノ湖畔に建つ「サンタ・マリア・デリ・アンジョリ教会」。
礼拝堂の壁は1529年にベルナルディーノ・ルイーニが描いたフレスコ画で彩られています。

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ルガーノ湖にその姿を映すように、標高912メートルの山がたたずんでいます。
「モンテ・サン・サルヴァトーレ」です。
山頂までは、ケーブルカーが出ています。
展望台から眼下に広がるのはアルプスの山々に抱かれたルガーノの街と、
巨大な鏡のような湖面。
天気がよい日には湖の向こうにイタリアのミラノの街並みが望めます。
「モンテ・サン・サルヴァトーレ」は、ルガーノ湖畔で最も天国に近い場所です。

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「ルガーノ湖」の湖畔にある「モンタニョーラ」には、「車輪の下」などで知られるドイツの文学者ヘルマン・ヘッセが暮らしていた家が記念館として残されています。
1919年、42歳のヘッセは温暖な気候と美しい自然に惹かれて、
ここモンタニョーラを後半生の故郷に選んだといいます。

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街には生前のヘッセが通ったというレストランがあります。
1858年創業の「グロットカビッチ」。
店の名前につく「グロット」は、「小さな洞窟」という意味を持っています。
当時ヘッセがこよなく愛したのが「ポルチーニ茸のリゾット」です。
スイスには本来、お米を食べる文化はありません。
イタリアと国境を接するティチーノ地方ならではの料理です。
ポルチーニ茸はイタリア料理の秋の定番素材です。

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ルガーノの街から北へおよそ30キロ。
「ベリンツォーナ」は古くからスイスとイタリアを結ぶ交通の要とされ、
城壁に囲まれた城塞都市として栄えました。
ベリンツォーナの旧市街は中世以来、3つの城に守られています。
街の中心に位置する丘の上に立つカステル・グランデは、
それと向き合うように立つモンテベッロ城とサッソ・コルバーロ城とともに、
2000年に世界遺産に登録されています。

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ベリンツォーナの街から西へおよそ20キロ。
豊かな緑と荒々しい岩肌が混在する渓谷があります。
「ヴェルザスカ渓谷」です。
渓谷は、ヴェルザスカ川に沿っておよそ30キロにわたって伸びています。
中央アルプスの氷河の雪解け水を水源とするヴェルザスカ川は、
透明度が非常に高いことで知られています。
自然の魅力溢れるヴェルザスカ渓谷は、訪れる人々を癒してくれます。

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スイスアルプスの雪景色と温暖な気候、
そして美しい湖と豊かな緑が同時にあるティチーノ地方。
光溢れる湖畔のこの地にたどりつき、
この地で生きる喜びを見つけたヘルマン・ヘッセはこんな言葉を残しています。
「他の人たちは目的、目標を持っている。
私は、生きているだけで、もう満足だ!」

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