水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ祈りと瞑想の世界遺産 ギリシャ メテオラ

2013年9月18日 放送

中央ギリシャに位置するテッサリア地方。
天を突き刺す奇岩群で知られています。
ギリシャ正教の聖地、メテオラです。
中世以来、多くの修道士が俗世間を離れ、その頂で修行の日々を過ごしました。
メテオラの奇岩群と修道院群は1988年、世界遺産に登録されています。

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高さ575メートルの岩山の頂上に、700年の歴史を持つ修道院が立っています。アギオス・ステファノス修道院です。
現在、修道院に住んでいる尼僧は29人。戒律が厳しいとされるギリシャ正教。
尼僧たちは、祈りと自給自足の日々を送っています。

修道院には、聖ハラランボスの遺骨が祀ってあります。
2世紀頃の聖人で113歳まで生きたとされ、その生涯で数々の奇跡を起こしたことで知られています。
聖ハラランボスは病気を治す力をもつとされ、その守護を願う多くの人々が巡礼に訪れています。

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メテオラから北東へ100キロ。
エーゲ海を望む海岸線の小さな村、ネア・アガトポリスがあります。
人口1000人ほどの小さな村は、一年に一度、夏至の日に朝から一日中かけて「水祭り」が行われます。

銅製の鍋に、街に3箇所ある公共の水道で少しずつ水を溜めます。
水を汲み終わると、村の全ての家を回って自分が大切にしているものを鍋に入れてもらいます。
水に浸された物たちは、持ち主に代わって力を授かるといいます。
水につけておいた品々は夕方に返されますが、その時祭りの司会者達がシャレた一言を添える習慣になっています。

村の男性たちは、祭りの最後に路上に焚いた火を飛び越えます。
男性が力や勇気を女性に示す為です。
かつて夏至は新年を迎えるお正月のような日で、旧年の悪いことを飛び越えるという意味があります。

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エーゲ海沿岸から内陸へ200キロ。ギリシャ北西部に広がる、ブラザニ国立公園です。
北西部のこの地域一帯は、ギリシャ国内でも有数の名水が湧く事で知られています。
幾つもの地層が重なり合った土地がフィルターとなり、地下水を浄化しているのです。

公園内の湧水量は、1秒間で300リットルを超えます。
その豊富な水が豊かな生態系を支えています。
東京ドーム200個分ほどの土地に、鹿やヤギ、イノシシなどおよそ850種もの野生動物が暮らしています。

その豊かな水が伝統の暮らしに生かされています。
川の水を利用して、その水の流れだけを動力にした巨大な洗濯機です。
洗剤を使う必要がないので、自然にやさしい洗濯法です。

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ブラザニから南へおよそ100キロ。
イオニア海に浮かぶレフカダ島は、ギリシャ本土と50メートルの橋で繋がっています。
レフカダ島はターコイズブルーに輝く美しい海で知られ、「ギリシャのカリブ」と呼ばれています。

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レフカダ島は日本とも浅からぬ縁を持っています。
明治時代の文豪「小泉八雲」ことラフカディオ・ハーンはこの島で生まれたのです。

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ギリシャの西部、イオニア海に浮かぶレフカダ島は、ワインの名産地としても知られています。
特に有名なのが、ヴァルザミというブドウから作る赤ワイン。

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レフカダ島は、巨大な凧で風をつかまえて波の上を走るカイトサーフィンも盛んです。
夏の午後には毎日、「エリック」と呼ばれる強風が吹くからです。
元プロのカイトサーファー、アンゲロスさん。
出身はアメリカですが、この島の風と海に魅せられ10年前に移住しました。
ヨーロッパで10本の指に入るというこの海に惚れ込み、日々癒されてると言います。
美しい海はその姿で人を楽しませるだけでなく、人をやさしく包みこみ生きる力を与えてくれているのかもしれません。

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