水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレスペイン 巡礼の道 サンティアゴ・デ・コンポステーラ

2013年8月7日 放送

なだらかな丘陵地帯が広がるスペイン北部。ローマ、エルサレムと並び、キリスト教3大聖地のひとつとされるサンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう道が巡礼の道です。このフランスとの国境線が走るピレネー山脈からおよそ800キロにもおよぶ「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」は1993年に世界遺産に登録されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

国境からおよそ600キロの街、古都レオン。
古代ローマ時代の城壁に囲まれた旧市街に立つカテドラルは世界最大級の数を誇るステンドグラスで有名です。
その中の一枚に杖を持つ聖人がいます。12使徒のひとり 聖ヤコブです。
巡礼の道のシンボルとされる帆立貝は、エルサレムで殉教した聖ヤコブの遺体を運ぶ船に帆立貝が大量についていた、という逸話や、巡礼者がサンティアゴを訪れた際、土産として持ち帰ったことが始まりだという説もあります。
旅の安全を祈願するお守りとして、いまでも帆立貝を身につける巡礼者が数多くみられます。

©BS日テレ

©BS日テレ

フォンセバドン峠は、標高1,500メートル以上の山々が連なる巡礼の道有数の難所です。峠の道沿いに旅人のための水場があります。人々は山上りで疲れた体を潤します。この峠を越えると、目指す聖地サンティアゴまではあと150キロほどです。

©BS日テレ

©BS日テレ

フォンセバドン峠を越えた西側。山々に囲まれた盆地の街ルーゴがあります。旧市街は長さ2100メートルもの石積みの壁で囲まれています。古代ローマ人が残した石の城壁は、2000年に世界遺産に登録されました。旧市街の中心に位置するのが、12世紀に建てられた「ルーゴのカテドラル」です。この大聖堂は、当時サンティアゴ・デ・コンポステーラに次ぐ巡礼の聖地とされてきました。

©BS日テレ

©BS日テレ

街を見下ろす高台は歓喜の丘と呼ばれ、「巡礼の道」を旅してきた人々が初めて美しい聖地の姿を眼にし、喜びを感じる場所です。サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街は、カテドラルとともに1985年に世界遺産に登録されました。この「カテドラル」の建設が始まったのは1075年。かつて星に導かれた羊飼いがイエスキリストの12使徒の一人である聖ヤコブの墓を発見し、それを奉る聖堂を建てたのが始まりとされます。

©BS日テレ

©BS日テレ

街にたどり着いた巡礼者たちは、いよいよカテドラルで聖ヤコブの遺骸に対面します。祭壇の真下ある地下礼拝堂に置かれた棺に聖ヤコブの亡骸が納められています。
ボタフメイロという巨大な香炉が舞い上がりミサが始まります。
この儀式を持って巡礼者の長い旅が終わるのです。

©BS日テレ

©BS日テレ

聖地にあって教会の厳かさと対称を成す、街一番の賑やかな場所がアバストス市場です。スペイン北部は温暖な地中海性気候で雨も多いため、農産物が豊富です。大西洋にも程近く、イワシやアジなど近海でとれた魚も並びます。冷蔵庫のないレストランを唄い文句に始めたレストラン「アバストス」はその新鮮な魚介料理で人気です。

©BS日テレ

©BS日テレ

「巡礼の道」のシンボルとされる帆立貝。「ビーナスの誕生」でも描かれているように、古代の神話では「再生」を意味するそうです。
長く辛い旅を経て聖地に辿り着いた巡礼者たちはその経験と達成感を力にして新たな自分に生まれ変わるのかもしれません。

▲ページトップへ

BS日テレ