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©BS日テレ©BS日テレスペインの豊穣なる台地 セゴビアからアビラまで

2013年7月24日 初回放送

スペイン中央部に位置する「カスティーリャ・イ・レオン地方」。この地域には、標高600メートルを超える台地が広がり「メセタ」と呼ばれています。

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首都マドリードから北へ90キロ程。「セゴビア」の街が静かに佇んでいます。2000年の歴史を持つ旧市街は、ローマ時代の遺跡とともに1985年、世界遺産に登録されました。旧市街には、その優雅な姿から「貴婦人」の愛称で親しまれる大聖堂があります。16世紀の着工から完成まで200年を要したこの「セゴビアのカテドラル」は、古代ローマの建築を模したロマネスク様式の特徴が見て取れます。

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旧市街の丘には、ディズニー映画「白雪姫」の城のモデルになったとも言われる古城「アルカサル」があります。古い城という意味のこの城は8世紀から11世紀にかけて建てられました。

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街の一画に、旧市街とともに世界遺産に登録された古代ローマ時代の水道橋があります。積み上げられた石は2万個以上。釘や接着剤などは一切使わず、石の重みだけで2000年前の形を保っています。「セゴビア」のある台地「メセタ」は、雨が非常に少なく「乾燥高原」とも呼ばれています。水道橋で運ばれてくる水は街の命綱だったのです。

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マドリードから北西へおよそ100キロ。標高1100メートルの高原に、11世紀の古い街「アビラ」があります。長大な石の壁に囲まれた旧市街は、周辺の教会とともに1985年に世界遺産に登録されました。街を覆う壁は全長2500メートル。溶岩から生まれた花崗岩でできています。城壁の中には王侯貴族や聖職者などを中心に13000人の人々が暮らしていたといいます。

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「メセタ」の台地の北部に位置する街「バリャドリッド」。この街には16世紀から17世紀にかけてスペイン王国の首都が置かれていました。
「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスは、1603年から1609年にかけてこの街で暮らしました。市内に残る家には「ドン・キホーテ」を執筆したと言われる書斎が当時のままの姿で公開されています。セルバンテスの「ドン・キホーテ」は、生き生きとした人間描写とその成長を描いた事から「史上初の近代小説」と言われています。

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「バリャドリッド」の市内に立つ「コロンブス博物館」。晩年、植民地の統治の不手際を批判された彼は、名誉回復のため1506年にスペイン国王に謁見を求めて「バリャドリッド」にやって来ます。結局、会うことは適わずコロンブスは国王に手紙を送りました。その手紙の写しが展示されています。手紙にはそれまでの彼の業績が書き連ねられ、その報酬と名誉の回復を国王に求めています。そしてコロンブスはこの街で人生の最期を迎えたのです。

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「バリャドリッド」郊外は、ブドウ畑が広がり、高品質のワインの産地として知られています。ワイナリー「プロトス」。ここの地下の貯蔵庫には、14000もの樽が並んでいます。全ての樽は4年ごとに取り替えられます。樽が古くなると木の細かな気孔が塞がり、ワインが酸化しにくくなるからです。更に樽の材質を変えることで、果物や珈琲など様々な風味をワインに加えています。

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自然の実り溢れる、豊穣の台地「メセタ」。かつてそこでは、新たな国家の地図が描かれ、文化の歴史を変える冒険の物語が生まれました。スペインの歴史と文化が書き上げられた場所「メセタ」。その名は「机」を語源とします。

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