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©BS日テレ©BS日テレワイン街道と運河の街 フランス アルザス地方

2013年7月17日 初回放送

フランス北東部「アルザス地方」。スイス・ドイツの2カ国と国境を接し、千年の昔から様々な文化が行き交ったことから、「文化の十字路」と呼ばれています。フランスとドイツとの間で幾度も統治国が変わり、2つの国の文化が混在しています。

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アルザス地方の玄関口の街「ストラスブール」。「街道の街」を意味するその名の通り、中世には交通の要衝として繁栄しました。その当時の街並みが今も残る旧市街は「グラン・ディル」と呼ばれ1988年に世界遺産に登録されています。

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グラン・ディルの中心部にある「ストラスブール大聖堂」は15世紀に完成しました。この大聖堂の内部には19世紀に完成した、高さは18メートルの「天文時計」があります。時計が昼の12時30分を指すと、複数のからくり人形が動き出します。このショーは100年以上たった今も観光客の心を引きつけています。

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アルザス地方には「ワイン街道」と呼ばれる、南北170キロに渡って続くブドウ畑の道があります。この地域では2000年以上前からブドウが栽培され、特に「リースリング」という品種のブドウを使った辛口の白ワインが有名です。

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街道沿いの村「リクヴィル」には20軒ものワイナリーがあり、それぞれオリジナルのワインを作っています。1639年から醸造を続ける「ヒューゲル社」は、その技と一緒に、熟成のための「樽」も代々受け継いできました。中でも300年前に作られた樽は現在、使われている世界最古のワイン熟成樽としてギネスブックに登録されています。

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ワイン街道の中間地点にある「コルマール」。この街は第二次世界大戦の戦場となったアルザス地方で、奇跡的に戦火を免れました。そのため、中世そのままの街並みが多く残っています。

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街には運河が流れていて、2.4キロほどのコースを巡るクルージングが人気です。運河沿いにはパステル調の家々が並び、イタリアの水の都「ベネチア」を彷彿とさせることから「小さなベネチア」と呼ばれています。

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旧市街にある1609年に建てられた「頭の家」と呼ばれる建物の外壁には、その名前の通り111個もの頭の彫刻が施されています。現在はレストランになっていて、アルザスの郷土料理「シュークルート」が人気です。この料理は、隣接するドイツの「ザワ―クラウト」から生まれました。発酵させたキャベツと塩漬けの豚肉やソーセージなどを使った煮込み料理で、アルザス地方では週に一度は食べるそうです。

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コルマールには、世界的に有名な宗教画があります。13世紀の修道院を改装した「ウンターリンデン美術館」で、最高の所蔵品とされている16世紀のドイツ人画家グリューネヴァルトの作品「イーゼンハイムの祭壇画」。そして「ドミニカン教会」に展示されているドイツ人画家ショーンガウアーの作品「バラの茂みの聖母」です。こうした絵画が残っているのは、コルマールが戦災を受けなかったことの証でもあります。

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ヨーロッパのほぼ中心に位置するアルザス地方。フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」はこの地で生まれたとされています。その若き日、ストラスブールに学んだドイツの文豪ゲーテは、その情景を「他に比べようもない美しさだ」と讃えています。

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