水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレローマの歴史を残す「銀の道」スペイン サラマンカからオビエドまで

2013年7月10日 放送

ヨーロッパ大陸の西の端、イベリア半島にあるスペイン。紀元1世紀ごろ、古代ローマ人が物資を運ぶために作った一本の道があります。この道は「銀の道」と呼ばれ、スペインを南北に縦断しています。南はアンダルシア地方のセビリアから北はアストゥリアス地方のヒホンまで、その距離およそ800km。「銀の道」は、「ローマ橋」を渡ってサラマンカの街へ通じています。「ローマ橋」は紀元1世紀、「銀の道」が作られるとともに架けられました。当時の橋は街を流れるトルメス川の氾濫によって破壊されてしまい、現在の橋は18世紀に再建されたものです。

©BS日テレ

©BS日テレ

まず訪れたのは、マドリードの北西およそ230kmにあるサラマンカです。「銀の道」の交通の要衝として栄えてきました。歴史ある建物が並ぶ旧市街はその保存状態の良さから1988年、世界遺産に登録されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

スペイン建築の美しさの見本ともいわれている新旧カテドラルです。
12世紀に造られた旧カテドラルと18世紀に完成したゴシック様式の新カテドラルが並んで建っています。広い空間を持つその室内は当時のスペインを代表する建築家が何人も携わり、完成までに200年の歳月が費やされました。
ドーム状になった天井にある八面体レリーフ画には、受胎告知など、聖母マリアの8つの象徴的な生涯が描かれています。

©BS日テレ

©BS日テレ

スペインの広場の中で最も美しく、調和がとれていると言われているのがマヨール広場です。4層になった建物は18世紀のスペイン・バロック様式。正面にある華麗な建物は市庁舎です。憩いの場として、社交の場として、マヨール広場は市民や観光客から愛されてきました。

©BS日テレ

©BS日テレ

サラマンカの象徴といえるのがサラマンカ大学です。13世紀にスペインで最初に誕生した大学でヨーロッパではパリ、ボローニャに次ぐ歴史を持っています。観光客に人気があるのは、大学の正面の門です。おびただしい数の彫刻で装飾されています。その中に、観光客がお目当てにしている彫刻があります。カエルです。カエルは知識の象徴とされ、これを見つけると試験に合格するとか、幸せになれると言われています。

©BS日テレ

©BS日テレ

古代ローマ時代、アストゥルガには金の集積所がありました。この金を守るためローマ軍は街を堅牢な城壁で囲んだのです。そして、このローマに莫大な富をもたらした金の鉱山がアストルガから30分ほど行った山岳地帯ラス・メドゥラスです。ここで採掘された金の量は750トンにもおよび、ローマ帝国最大の金の採掘場でした。その歴史的価値から1997年に世界遺産に登録されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

「銀の道」は、大西洋に面したアストゥリアス地方まで続いています。8世紀、イスラム教徒に追われたキリスト教徒はここに最後の砦としてアストゥリアス王国を築きます。それが後にスペイン王国誕生の礎となるのです。歴史ある旧市街は1985年に世界遺産に登録されました。オビエド郊外の丘に旧市街の歴史地区と共に世界遺産に登録された建物があります。サンタ・マリア・デル・ナランコ教会です。アストゥリアス王国時代の9世紀に建てられました。当初この建物は、国王の離宮として建てられ後に教会として改築されました。

©BS日テレ

©BS日テレ

古代ローマ人の夢と野望を今に伝える古の街道「銀の道」。ローマの時代は終わってもこの道は、その後のスペインに新たな歴史をもたらしていったのです。

▲ページトップへ

BS日テレ