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©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ中世と現代が交差するヨーロッパの十字路 ベルギー・ブリュッセル

2013年4月17日 放送

ヨーロッパ中央部。4つの国と国境を接するベルギーは古くから交易で栄え、「ヨーロッパの十字路」と呼ばれています。その首都「ブリュッセル」。EU=欧州連合の本部が置かれ、古い街並みと国際色豊かな街はヨーロッパの首都とも呼ばれています。
街の誕生は紀元前2200年。ブリュッセルという町の名は「湿地帯の砦」を意味します。
市内の南西部を流れる「セナ川」。中世、ヨーロッパ各国からの物資の運搬路として機能しブリュッセルはその交易の中心地でした。

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街の中心に広がる「グラン・プラス」。1000年前には、すでにあったと言われる中央広場です。四角い広場は、周囲を中世の歴史的建造物に囲まれています。
フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーは、その佇まいを「世界で最も美しい広場」と称えました。「グラン・プラス」は1998年に、世界遺産に登録されました。

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グラン・プラスから歩いて5分ほどの小道に、世界一有名なブリュッセル市民がいます。
「小便小僧」です。侵略者が仕掛けた爆弾の火をオシッコで消したという少年の伝説に由来すると言われています。少年の名前から「ジュリアン坊や」とも呼ばれます。像が作られたのは1619年。最長老の市民として親しまれています。

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ブリュッセルはヨーロッパを代表する美食の町です。グラン・プラスの北東に位置する「イロ・サクレ地区」。ブリュッセルの胃袋とも呼ばれるレストラン街です。小さいエリアに30軒以上が密集しています。「イロ・サクレ地区」で特に人気の店が、1893年創業の「シェ・レオン」です。鍋一杯に盛られた名物「ムール貝の白ワイン蒸し」。ベルギー人は、「料理にフランスの質とドイツの量を求める」と言われています。

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ブリュッセルは芸術の街でもあります。その中心をなすのが、「ベルギー王立美術館」です。所蔵する作品は2万点以上。フランドル絵画と呼ばれる作品群が充実しています。16世紀の初期フランドル絵画を代表する画家、ピーテル・ブリューゲル。当時の人々の姿が、フランドル絵画らしく写実性豊かに表現されています。フランダース地方で生まれたブリューゲルは、故郷の風景を愛しそこで暮らす農民たちを多くの作品で描いたことから「農民画家」と呼ばれています。

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ブリュッセルの南西。「パヨッテンランド」と呼ばれる田園地帯。16世紀のブリューゲルが愛したフランダースの牧歌的な風景が広がります。この一帯には、ブリューゲルが描いた建物が今も残っています。そのひとつが「シント・アナ・ペーデ教会」。「盲人の寓話」という作品に描かれました。13世紀の建物はブリューゲルの時代を経て、今も当時のままの姿でたたずんでいます。

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パヨッテンランドを流れるセナ川。この水辺からベルギーの伝統の味が生まれています。セナ川のほとりに立つビール醸造所。「ブーン・ブルワリー」です。16世紀から、セナ川流域で受け継がれているランビックビールを作っています。通常の酒造りでは、品質を安定させるため人工的に培養した酵母を使います。しかしこの醸造所では、自然に存在する野生の酵母で発酵させています。この作り方こそランビックビールの特徴です。
この土地でしか作ることのできない奇跡のビール。やリンゴ酒を合わせたような複雑で独特の酸味は、ブリュッセル近郊の自然の豊かさの証です。

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フランダース地方の田園風景を描き続けたピーテル・ブリューゲル。その才能を開花させたのはフランダースの素朴な暮らしと風景だといいます。どこか心和ませるフランダースの冬景色。ブリューゲルは愛し続けたこの地で生涯を閉じました。

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