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©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ北イタリアの大河と世界遺産の王宮群 トリノ

2012年11月14日 初回放送

フランスと国境を接する北イタリアの古都「トリノ」。人口およそ90万人。自動車産業などが盛んで国内ではミラノに次ぐ工業都市です。街を流れるポー川は、アルプスの雪解け水を源流としアドリア海に注ぎます。川の総延長はおよそ650キロ。イタリア国内では最も長い大河です。
ポー川が横断する北イタリア一帯は、その豊かな流れが作り出した肥沃な大地が広がっています。

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古代ローマ帝国に築かれた街は、16世紀以降サヴォイア家の統治で発展しました。サヴォイア家はヨーロッパ屈指の権威を持つ貴族です。市内の歴史地区に残る「サヴォイア王家の王宮群」。当時の栄華を誇る宮殿群は1997年に世界遺産に登録されました。宮殿群の中心を成す建物が「王宮」。17世紀に完成し1865年までサヴォイア王朝の宮殿として使われました。「マダーマ宮殿」は、后が暮らした建物です。サヴォイア家の宮殿の中で、その姿が最も荘厳とされるのが「カリニャーノ宮殿」です。当時の国会が置かれた場所で1861年3月にはイタリア王国の建国が宣言されました。イタリアの歴史上最も重要な建物と言われています。

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トリノ市の中心部から北西へおよそ5キロ。緑豊かな郊外にサヴォイア家の古い宮殿があります。
1679年に当時の国王カルロ・エマヌエーレ2世が建てた「ヴェナリーア王宮」です。フランスのヴェルサイユ宮殿をモチーフに建てられました。庭園に水が多く使われていることから「水の宮殿」の別名も持ちます。「ディアーナのガッレリア」と呼ばれる回廊は、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間がモデルだと言われています。ヴェナリーア王宮は、1693年にフランス軍の侵攻で一度破壊されました。その後、17世紀末から18世紀にかけて、その時々の建築家によって修復され現在の姿になりました。また宮殿の建物に隣接して池も造られました。当時は養魚場として使われ、観賞用の魚が養殖されていたそうです。現在は王宮を訪れた観光客用に、ゴンドラが用意されています。このゴンドラは、中世当時にサヴォイア家の国王達が乗ったものを忠実に再現しているそうです。

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トリノ市内を流れる大河「ポー川」はアルプス山脈にその源流を持っています。その流れは、トリノ市民に豊かな土地と心癒される風景、そして人生の楽しみを与えています。ポー川沿いで盛んに行われているのがボート競技で、ボート協会も多く存在しています。ボート歴50年のベテランから、健康のためにはじめたという主婦までメンバーは様々です。
この協会の人たちがやっているのは、舵手1人と漕ぎ手が8人で競う「エイト」という種目です。今は市民大会へ向けて練習中だそうです。流れの緩やかなポー川で、ボートを練習する人々の姿は、トリノの名物となっています。

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トリノから南へおよそ70キロ。山間の村「バローロ」が静かにたたずんでいます。人口700人ほどの小さな村は、ヨーロッパ全域にその名を知られています。この村はイタリアンワインの最高峰の産地で、この地方が原産のネッビオーロ種というブドウが生産されています。この地方でワイン作りが始まったのは古代ローマ時代。2000年以上もの間、伝統を継承しています。村のワイナリーは小規模なものが多く、バローロワインはごく僅かしか流通していない、幻のワインです。その香りは、バラやスミレにたとえられ、その美しい真紅の色はルビーやガーネットなどの宝石に例えられます。複雑に凝縮した酸味。
その独特の味わいは、「ワインの王様」と讃えられ、ヨーロッパ中にその名が知られています。

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トリノから南東へおよそ70キロ。「ヴィンキオ」は人口700人ほどの小さな村。そのほとんどが農家です。この村は、秋に白トリュフが採れることでグルメたちにその名を知られています。フォアグラ、キャビアと並んで世界三大珍味のひとつに数えられる白トリュフは、キノコの一種。その香りは最上級に位置づけられ、北イタリアは特に高品質な白トリュフの産地です。白トリュフは、ナラやブナ、松などの木の根の近くに自生します。湿気が高いことも大切でこの森は最高の環境だそうです。トリュフを探すのは犬です。3年ほどかけて特別にトレーニングされます。かつてはブタも使われましたが、ブタは見つけたトリュフをすぐ食べようとする為、最近は犬を使う人が増えているそうです。

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白トリュフは、ショウガやチーズ、キノコ類の香りなどが複雑に混ざった、とても珍しい香りを持っています。その香りを存分に味わうにはシンプルな料理が一番と言われ、タリオリーニという生パスタやチーズの上にスライスして食べられているそうです。
ヨーロッパではトリュフは、「台所のダイヤモンド」とも呼ばれています。

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アルプスの豊かな雪解け水は、はるか昔から人々に恩恵を与え続けてきたのです。

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