水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレカナダ ナイアガラ瀑布と世界遺産の運河の旅

2012年10月17日 初回放送

カナダ南東部。アメリカ合衆国との国境の町「ナイアガラフォールズ」は国境線をまたぐ「ナイアガラの滝」がある街として知られています。
ナイアガラの滝が誕生したのはおよそ1万年前。
氷河によって削られた断層が始まりと言われています。
その圧倒的な水の力によって滝は徐々に削りとられています。
滝が誕生したときは、現在の位置よりおよそ10キロメートルも下流にありました。このまま削り取られるとやがて滝は消滅すると言われています。

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カナダは世界中から人が移り住んできた移民国家です。
ナイアガラのワイン作りは、ドイツ人の移民が持ち込んだブドウの苗木から始まったと言われています。
ナイアガラ渓谷からオンタリオ湖の湖畔一帯は、ワインの名産地として知られています。
この土地は寒暖の差が激しく良質のブドウ作りに適していたからです。

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オンタリオ湖の湖畔にある街「トロント」。
人口はおよそ400万人。カナダ国内で最大の規模を誇り、北米大陸でも有数の経済都市として知られています。
トロントは、移民国家カナダの中でも多くの移民を受け入れてきました。
住民の半分を移民が占めるといいます。
トロントにヨーロッパの古城を思わせる邸宅があります。カーサ・ロマです。
北欧やスコットランドの城などをモチーフにした豪邸は、4年の歳月を費やし、1914年に完成しました。
広いメインホールを含め、98もの部屋があります。
この邸宅を建てたのはヘンリー・ミル・ぺラット。
ナイアガラの滝を使った水力発電で、巨万の富を築いた人物です。

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トロントから東へおよそ250キロ。セントローレンス川の始点にあたる街がキングストンです。
1841年から4年間、カナダの首都がおかれていました。
キングストン市庁舎は、元々は国会議事堂として使われていました。
古代ギリシャ風の特徴を持つブリティッシュ・ルネッサンス様式建築の荘厳な建物には、カナダの初代首相の執務室が置かれていました。
セントローレンス川を見下ろす小高い丘に、カナダの歴史を今に伝える建物があります。要塞、「フォート・ヘンリー」です。
要塞が築かれたのは1837年。この一帯を植民地としていたイギリスは、セントローレンス川の対岸にあるアメリカからの侵略に備え要塞を造りました。
現在、要塞は博物館として、当時の兵士の部屋などが公開されています。
かつては最大で600人ほどの兵士が、侵略に備えて駐屯していました。
要塞では、当時の兵士の様子が再現されています。

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キングストンから首都オタワまで、世界遺産に登録された全長202キロメートルのリドー運河が結んでいます。
運河が作られたのは1832年。当時、敵対関係にあったアメリカの侵攻に備え運河を造りました。
現在も使われているものとしては、北米で最も古い運河です。
リドー運河の9割は、天然の川や湖を利用し造られました。
そのため周辺には美しい風景が広がっています。
特に夏のシーズンは、多くの船が運河の旅をしながら自然を楽しんでいます。
あたりには、国内有数の森と湖が広がっています。
秋になると、リドー運河は一面が、紅葉に染まります。
リドー運河にはロックステーションと呼ばれる水門があります。
二つの水門を使って高低差のあるリドー運河の水位を調整してボートが行き来できるようにするために作られました。
建設当時のまま、いまも使われているこの水門は、ロックマスターと呼ばれる番人が手動で開け閉めをしています。
運河は多い日は最大100隻の船が行き来し、その度に水門は昼夜を問わず開け閉めされます。
リドー運河は、こうした人々の手で支えられています。
運河の誕生にも多くの人の力が注がれました。180年前、運河の建築に関わった人々は、固い岩盤を6年かけて切り開きました。

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オタワ水門です。水門の先はオタワ川に繋がっています。
オタワ水門は、リドー運河最大で全長はおよそ300メートル。
8つの水門で24メートル下のオタワ川まで船を通過させます。

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カナダの首都「オタワ」。17世紀初頭に毛皮商人が拠点とした町は、19世紀、リドー運河の建設と同時に大きく発展していきました。
オタワの街に国会議事堂が建てられたのは1866年。
植民地として町を統治していたイギリスのビクトリア女王の指示によるものです。中央のピースタワーは高さ92メートル。
戦争による戦没者を追悼するという願いが込められています。
高い塔や直線が強調されたデザインのネオゴシック様式で建てられています。

ナイアガラの滝から始まったオンタリオ州の旅。水は力強さ、美しさと様々な表情を見せてくれました。
水はこの国の歴史を作り、発展させ、人々の心に潤いをもたらしてきたのです。

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