水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ水が創った純白の城 トルコ パムッカレ

2012年8月29日 放送

トルコ共和国の南西部。デニズリ県にある丘陵地の村「パムッカレ」。その名前はトルコ語で「綿の城」という意味を持ちます。古くよりこの地域が綿の一大産地として栄えた事に由来します。人口2000人ほどの村には、毎年170万人もの観光客が訪れています。観光客の目的は「石灰棚」と呼ばれる自然の造形。「石灰棚」を作ったのは、数千年に渡ってこの地に湧いている温泉です。この高台は元々、石灰岩で出来ていました。そこに雨水が染み込み、石灰質を多く含む地下水になります。地下水は地熱で温められやがて温泉として湧き出てきます。そして温泉の中の石灰質が沈殿して結晶化、数千年かけて丘を純白のベールで覆ったのです。

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「石灰棚」が広がる丘の頂上には、古くから温泉保養地として栄えたこの土地の歴史を物語る遺跡があります。紀元前2世紀にペルガモン王国の国王エウメネス2世が建設したとされる古代都市。「ヒエラポリス」の遺跡群です。「ヒエラポリス」は、「聖なる都市」という意味を持ちます。ペルガモン王国からローマ帝国、東ローマ帝国へと統治者を変えていった「ヒエラポリス」。その千数百年もの間、常に温泉と金属業で栄えました。ヒエラポリスの遺跡群はパムッカレの石灰棚と共に1988年に世界遺産に登録されています。

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遺跡には今も温泉が湧き続けています。「アンティーク・プール」という広大な露天風呂。この露天温泉は、「遺跡温泉」「遺跡プール」などとも呼ばれ、湯の底に円柱が沈んでいます。「ヒエラポリス」は、過去に何度も巨大地震に襲われました。そのたびに町は崩壊と復興を繰り返してきました。遺跡プールは、倒壊した建物の跡地に温泉を溜めて造られました。湯の温度は35度。「ヒエラポリス」の温泉は、ローマ時代から心臓病やリュウマチ、皮膚病などに良いとされていたそうです。現在も多くの人が湯治に訪れています。

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「綿の城=パムッカル」を持つデニズリ県は、トルコ国内でも有数の綿の産地です。至るところに綿畑が広がっています。秋の収穫期には綿の花の白い絨毯で大地が覆われるのがデニズリ県の風物詩となっています。この地方では機織りは古くから男性の仕事でした。職人は皆、父親から機織り機の使い方を教わってきました。トルコでは紀元前7世紀にはすでに、織物が作られていたそうです。

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デニズリ県の「ブルダン」という町にある機織り工房の二代目メフメット・ブダックさん。かつて父親から機織りを習いました。メフメットさんの工房で織られる布製品は、国内はもちろん、フランスやイタリアなどへも輸出されています。息子のエムレくんは11歳の小学生。学校が休みの日には機織りの仕事を手伝います。エムレくんが織った布も、もちろん工房の製品として市場に出されています。トルコの機織りは、こうして親から子へ伝えられ数千年続いてきたのです。

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パムッカレから南西におよそ200キロ。エーゲ海を望む港町「ボドルム」があります。町の歴史は紀元前4世紀にまでさかのぼります。エーゲ海の最南端にある玄関口として栄えてきました。現在は、多くのビーチを持つトルコ国内有数のリゾート地として人気です。一年を通して温暖な季候で町には観光客の姿が絶えません。「ボドルム」は白壁の街並みで知られています。

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「ボドルム」の港には、町のシンボルとされる「ボドルム城」があります。15世紀に、十字軍の一軍であるヨハネ騎士団が建設。エーゲ海を含む地中海沿岸では最も堅固な城と言われました。十字軍がイスラム勢力との戦いを繰り返した際には、その拠点として使われています。現在は、町やヨーロッパとアジアの歴史を伝える資料として一般に公開され多くの観光客が訪れています。

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ボドルムの郊外の町「ギュムシュリュク」の海岸沿いにはシーフードレストランが軒を連ねています。エーゲ海の新鮮な魚介類が楽しめ、地元っ子はもちろん観光客にも人気のエリアです。エーゲ海産スズキのグリルにはこの地方伝統のソースをつけて頂きます。オリーブオイルとレモン汁をベースにした二種類のソースは淡泊な白身魚にぴったりのオリエンタルな味です。

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「ボドルム」の町の中心には、「ボドルム・マリーナ」というヨットハーバーがあり、常に3000艇ほどの観光船や個人所有の船が停泊しています。メルコン・アヴェット・ヤンさんはボドルムの海に魅了され、奥さん、娘さんの三人で船の上で生活しています。夏のリゾートシーズンには、この船を宿泊施設として観光客に提供しています。一度泊まって以来ほぼ毎年やってくる常連客も多いそうです。船上で家族と時間を過ごす。ボドルムの海では、こんな光景が当たり前のように見られます。メルコンさんは、「海とは“自由”という意味だ」と穏やかに語ります。

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