水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ水が築いた奇岩の大地 トルコ カッパドキア

2012年8月8日 放送

トルコ共和国の中央部に位置するアナトリア地方。その南東に、古代の火山活動で出来た高原地帯が広がります。その地方の名は「カッパドキア」。カッパドキア一帯には、奇妙な形をした岩「奇岩」の風景が点在しています。「きのこ岩」とも呼ばれる不思議な造形は、古代の火山活動と自然の水が築きました。
およそ1万年前の火山噴火で、周辺の大地には火山灰と溶岩が積み重なり、それを雨水や湧き水、川の流れが数千年かけて削っていきました。その景観は、1985年、世界遺産に登録されています。

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カッパドキア観光の目玉とされ、観光客にとても人気が高いのが気球ツアーです。世界各国の人々が気球ツアーに参加します。上空から、カッパドキアの奇岩群を見ることができ、風向きによっては、奇岩群の中に残る古代の集落の跡地を見ることもできます。「チャウシンの遺跡」が建築されたのは5世紀頃と言われています。それからおよそ1500年間、つい半世紀ほど前までここには人が暮らしていました。この地に定住した古の人々は、奇岩の大地に寄り添うように、歴史と文化を築いてきたのです。

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ギョレメには、今でも昔ながらの家に暮らす人たちがいます。農家のアイシェ・アクブズさんは、洞窟に暮らしています。60平米ほどの広さの内部には、リビングと寝室、裁縫部屋など三つの部屋があります。
アイシェさんは、食材のほとんどを自分の畑で栽培していますが、カッパドキア周辺は、一年を通して雨が少ないステップ気候で空気も土地も乾燥しています。カッパドキアの洞窟住居には一軒に一つ井戸があり人々はここから生活用水などを得ています。カッパドキアの奇岩群を築いた水は、昔から人々の暮らしを支えています。

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ギョレメの町の近くに「デヴレント」という様々な形をした奇岩の集まる谷があります。自然の気まぐれが作った岩には、名前が付けられています。ナポレオンの帽子などが有名な岩ですが、観光客に最も人気が高いのが、二つのこぶと正面を向いた首がラクダにそっくりな、高さ10メートルの巨大な岩「ラクダ岩」です。カッパドキア観光の人気スポットとして、多くの観光客がデヴレントを訪れます。

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カッパドキアで生まれた名物料理の発祥の店が「ショミネ」というレストランです。壺ケバブというカッパドキアの名物料理で、青トウガラシ、トマト、羊肉といったトルコ伝統の肉料理、ケバブの材料を地元で作られている土壺の中に入れ、高温の石窯で4時間ほどかけて焼き上げる料理です。壺の土は鉄分やビタミンなどを多く含むため、料理にさらに旨味を持たせると言います。トルコの大地の魅力が味わえる逸品です。

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赤土の産地として知られるアヴァノスの町の中心には、トルコ最長の川、クズル川が流れています。
アヴァノスの名所の一つの船着き場。小さなゴンドラに乗り、クズル川を周遊することが出来ます。一回のクルーズはおよそ30分。観光客は勿論、地元の若者たちにも人気です。町はカッパドキアでは珍しく豊かな水に恵まれています。乾燥した大地を潤す大河は、その流域で生まれた歴史や文化を見守ってきました。

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カッパドキアに暮らす人々は、奇岩を様々な施設などに利用しています。その一つが奇岩の内部に宿泊できる洞窟ホテルで、「アナトリアン・ハウジズ」はその中でも最高級にランクされているところです。古代に掘られた洞窟住居を客室に改装。トルコ絨毯や、ローマ時代の壺など、古美術品が飾られています。

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カッパドキアはワインの名産地としても知られています。雨が少ない為、水が極端に少なくても実をつける特別な品種が栽培されています。カッパドキアを代表するワイナリー「トゥラサン」は、1943年創業のカッパドキア一番の老舗です。トルコはワイン発祥の地ともされ、紀元前4000年にはワインが作られていました。ワイナリーではその長い歴史に新たな試みを加えています。フランス人のワイン技師を雇い、フランス産のオーク材で造られた樽でワインを発酵させています。この数年は世界的なコンクールで幾つも賞に輝いています。

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カッパドキアの南東部。「ソーアンル」は、ローマ帝国時代に建築されたという古い村。農業と畜産の村としても知られています。乾燥したカッパドキアでは珍しく、エルジェス山の雪解け水による草原が広がっています。地元の畜産農家ギュルブズさんは、その牧草地で牛を放牧させています。農家たちが共同で使うために造られた井戸はソーアンル村の「命の泉」と呼ばれています。冬はマイナス数十度まで気温が下がるカッパドキア。一年を通して蒸発も凍結もしない地下水は、村に暮らす人々にとっても、他の動物にとっても大切な水源です。夏は暑く、冬は厳しい寒さのカッパドキアの大地。それでも紀元前から絶える事無く人々が暮らし続けるのは、他の場所にはない温かさがあるからです。

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