



2016年2月4日 初回放送
イタリア北部。アドリア海を望む港町、リミニから、内陸のピアチェンツァを結ぶエミリア街道を旅します。
エミリア街道は全長およそ270キロメートル。
食材の宝庫・北イタリアの街々が連なることから、美食街道とも呼ばれています。
旅の出発地は、現在もイタリア有数の交通の要衝とされる街、ボローニャ。
紀元前に建設されたボローニャは、
中世、交易の中心都市として発展。
今も昔も北イタリア最新の文化や芸術が行き交っています。
ボローニャの街で特徴的なのが、
市内各地に建つポルティコと呼ばれる柱廊です。
建物の持ち主によって自由に設計され、その家の富の象徴として、
当時の人々はそのデザインの華やかさを競ったといいます。
旧市街では実に8割ほどの建物が、ポルティコを備えています。
イタリアの主食、パスタ。
その種類はイタリアで600以上あると言われ、
街や地域ごとに様々なパスタ料理が生まれました。
ボローニャは、ボロネーゼが生まれた街でもあります。
レストラン アンナ・マリアには名物のボロネーゼを求めて
連日多くのお客さんが訪れます。
料理に使われるパスタは全て店内で手打ちしたもので
ボロネーゼにはタリアテッレのいう細長いパスタを使用しています。
元々、イタリアのパスタ料理は種類が少なく、
味付けもシンプルなものばかりでした。
その味に飽きたボローニャのお金持ちが、
国境を接するフランスの煮込み料理をアレンジして、
作ったのがボロネーゼだそうです。
ボローニャ大学が設立されたのは1088年。
ヨーロッパで最も歴史ある大学で、
神曲の作者であるダンテや、ガリレオ・ガリレイ、
コペルニクスなど多くの偉人を輩出し、市民の誇りとして愛されています。
現在の学生数は8万人以上。大学院生などを含むと10万人を超えます。
学生は国外からの留学生も多く、
キャンパス内は勿論、街行く人も国際色豊かです。
ボローニャ大学の程近くにある、マルティーニ音楽院では
21世紀のモーツァルトを目指す若者たちが、音楽を学んでいます。
ボローニャから
エミリア街道を北西へおよそ40キロメートル行くと、
世界遺産の古都、モデナに辿り着きます。
市民の塔とモデナ大聖堂、グランデ広場は、
1997年に世界遺産に登録されています。
モデナの街で生まれたイタリア名物、バルサミコ酢。
濃縮したブドウ果汁から作るバルサミコ酢。
現在は各地で作られていますが、
本来その名を許されるのはモデナ近郊で作られた物だけで
その本物は高級品として扱われています。
バルサミコは、イタリア語で素晴らしい香りがするという意味を持ちます。
モデナからエミリア街道を北西へおよそ60キロメートル。
美食の街としても知られるパルマの街並みが見えてきます。
創業100年を越えるチーズ工場、ボーニでは
イタリアチーズの王様と言われる
パルミジャーノ・レッジャーノを生産しています。
パルミジャーノ・レッジャーノが誕生したのは13世紀。
カトリックの会派の一つ、ベネディクト修道会が
巡礼者に与えるために作ったといいます。