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©BS日テレ©BS日テレ世界遺産の絶景 ライン川を行く ドイツ

2015年9月23日 放送

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ドイツ中西部の街フランクフルト。その正式名称は、「フランクフルト・アム・マイン」。国内に同じ名の街が他にもあるため「マイン川沿いの」という言葉がつけ加えられました。マイン川は、大河ライン川の支流です。マイン川の両岸に広がるフランクフルトは、大河の恩恵で発展。ドイツの金融や経済の中心を成す大都市です。

フランクフルトの歴史は古代ローマ時代にまで遡ります。中世には、西ヨーロッパを支配したフランク王国の王宮が置かれ、また神聖ローマ帝国の都市として、皇帝の選挙や戴冠式などが行われる重要な位置におかれていました。旧市街の中心部に「ローマ人」を意味する「レーマー広場」があります。レーマー広場には、観光客を楽しませる建物群があります。第二次世界大戦の戦火で失われた中世の木組みの街並みを再現したものです。フランクフルトは戦時中、連合軍の空襲でおよそ7割が破壊されたと言います。

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フランクフルトから西へおよそ40キロ。ドイツ中西部ラインラント・プファルツ州の州都、マインツがあります。マインツの街は、ライン川とその支流でフランクフルトも流れるマイン川の合流点にあり、古くから河川交易の要衝として栄えてきました。マインツはドイツで最も重要な宗教都市として繁栄し、黄金のマインツとたたえられた時代もありました。

マインツで多くの観光客を集めるのが聖シュテファン教会です。教会内部は、青く幻想的な雰囲気に包まれています。この青い光を演出するステンドグラスは、ロシア出身の画家マルク・シャガールの作品で、彼の最晩年にあたる1978年から1985年にかけて製作されました。

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マインツの街を流れるライン川から観光船が出ています。マインツの北西にあるコブレンツの町まで、85キロの船旅が楽しめます。ライン川沿いに点在する観光名所で途中下船もできるとあって観光客に大人気です。ライン川沿岸には、ドイツ中西部の雄大な自然が広がり、乗客の目と心を潤します。

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ライン川下りの最大の見所は川の流れが造り出した自然の造形美です。そのひとつがローレライです。ローレライは「岩に潜む」という意味があり、岩山に潜む精霊の歌声に惑わされて、舵を誤った船が川の流れに飲み込まれるという中世の伝説の舞台とされています。ローレライ周辺は急カーブで川幅も狭く、また川底に岩礁が横たわるライン川きっての難所です。当時多くの船が事故を起こしたことからこの伝説が生まれたと考えられています。

ローレライを過ぎると、再び川の流れが大きく蛇行する場所がやってきます。ローレライと並ぶライン川の流れが築いた自然の造形美、ボッパルトです。自然が生み出した壮大な造形に、貴族たちが贅を尽くした城を建て、その庇護のもと、人々が町を築きました。ドイツの自然と、人々の営みがライン川屈指の表情豊かな風景を作り上げているのです。

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