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©BS日テレ©BS日テレ世界遺産の古都と水郷の街 ドイツ ベルリンからポツダムへ

2015年6月17日 放送

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ベルリンから南西へおよそ30キロ。湖と森に囲まれている事から、「ベルリンの庭」とも呼ばれる街「ポツダム」。第二次世界大戦の戦後処理が話し合われた「ポツダム会談」の舞台としても知られています。ベルリンを流れるシュプレー川の本流ハーフェル川が、点在する湖の水源となっています。湖畔の街には、いたるところに桟橋があり、目の前を一日中船が行き交います。内陸でありながら街は港町の趣を持っています。ドイツ北部を統治していたプロイセン王国の王たちは、代々、ポツダムに宮殿を構えました。旧市街には、プロイセン王国の歴史を伝える建造物が多く残っており、東西ドイツの統一後、ポツダムの街は、古いドイツに出会える街として観光人気が高まりました。

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ポツダム観光の最大の目玉が、東京ドーム60個分以上もの広大な敷地を持つ歴代プロイセン国王の居城、「サンスーシ宮殿」です。この宮殿は、第三代国王のフリードリヒ2世が、夏の間過ごす離宮として1747年に建造しました。芸術にも通じていたフリードリヒ2世は、自らも設計に参加。王の趣味嗜好を反映した宮殿は、ロココ様式の極みと言われています。宮殿の名の「サンスーシ」は、フランス語で「憂いなし」を意味します。サンスーシ宮殿とその庭園は、「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」の一つとして1990年に世界遺産に登録されています。宮殿内で最も重要とされるのが「大理石の間」です。
楕円状に造られた空間に、フリードリヒ2世の趣味を物語る音楽や絵画、天文学などをモチーフとした装飾が施されています。

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ベルリンから南東へおよそ100キロ。「シュプレーバルト」と呼ばれる水郷地帯に、その美しさで知られる水辺の町「リューベナウ」があります。ドイツ統一前は東ドイツに属していて、当時から自然豊かな観光地として高い人気を誇ってきました。カーンと呼ばれる平底のゴンドラでの観光クルーズが人気です。観光客で賑わうエリアを一歩はなれると、昔からの地元の人たちの住宅地が広がります。ほとんどの家が水路沿いに建てられていて、かつてこの地域には整備された道路はなく、人々は水路を唯一の交通手段としていました。

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リューベナウのゴンドラの船頭さんをご主人に持つマヌエラさんは、昔から水路沿いの家で暮らしています。マヌエラさんは一週間に一度、ゴンドラに乗り込み食材などの買い出しに町へ出かけます。家の近くには道路がなく駐車場の近くまでゴンドラを漕ぎ、車に乗り換え町のスーパーマーケットに向かいます。
一回、買い物をするだけで往復2時間はかかるそうです。一週間分の食材などを買い込んで、またゴンドラで家まで帰るのですが、「私にはこれが当たり前」とマヌエラさんは笑います。水郷の町には、水と自然と寄り添う静かな時間が流れていました。

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