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©BS日テレ©BS日テレ大地と海の恵みを求めて イタリア フィレンツェとトスカーナ

2015年6月10日 初回放送

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イタリア半島中西部トスカーナ州。首都ローマからおよそ230キロ。目の前にティレニア海を望む緑の丘陵地帯は、文化遺産や豊かな自然に恵まれ、イタリアを代表する景勝地としても知られています。中心部に位置する州都「フィレンツェ」。およそ37万人が暮らす町の歴史は古く、2000年前にまで遡ります。紀元前1世紀、ジュリアス・シーザーにより建設された古代ローマの植民都市に始まり、13世紀にはフィレンツェ共和国となりました。中世、フィレンツェは毛織物を中心とする製造業と当時トスカーナを支配していたメディチ家による金融業で栄えました。メディチ家はミケランジェロやレオナルド・ダ・ビンチなどトスカーナ出身の数多くの芸術家を支援しました。メディチ家のもとでフィレンツェは中世イタリアからヨーロッパ各国に広がった新しい芸術の流れ、ルネサンスの中心地となったのです。

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フィレンツェから南へおよそ90キロ。豊かな丘陵地帯に「オルチア渓谷」があります。広さは約180平方キロメートル。日本の霞ヶ浦ほどもある広大な自然公園です。トスカーナを代表する田園地帯は、元々は粘土質の痩せた土地で、地元の人々の数世紀に渡る土壌改良の賜物とされます。「オルチア渓谷」はその景観の素晴らしさから、2004年に世界遺産に登録されています。

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オルチア渓谷内の丘の上に中世の佇まいを今に残す町、ピエンツァがあります。町はトスカーナの自然が育んだペコリーノチーズの名産地としても知られています。このチーズは牛乳ではなく羊のミルクで作られます。ピエンツァ郊外で、チーズを生産する農場を訪ねました。こちらの農場では現在150頭の羊が飼育され、伝統の製法でペコリーノチーズが作られています。農場主のウリッセさんはオルチア渓谷の大自然に魅せられてスイスから移住してきました。渓谷で育った羊のミルクは非常に濃厚な風味が特徴とされます。ペコリーノチーズは、現在イタリアで生産される最も古いチーズのひとつです。中でもピエンツァ産の品質は、高く評価されています。

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イタリア半島中西部の大地と、近海に浮かぶ島々からなるトスカーナ州。ティレニア海に面した小さな港町が「オルベテッロ」です。元々、漁業の町だったオルベテッロは今でも漁が盛んに行われています。ティレニア海の漁師になって40年というマルコさん。流れが穏やかで栄養分が高く、豊かな漁場として知られるティレニア海。網に掛かる魚の種類も豊富です。トスカーナの緑の丘とともにティレニア海の波間もマルコさんにとって大切な故郷なのです。

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