水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ©BS日テレ美食の古都 オランダ マーストリヒト

2012年6月13日 放送

オランダの南東部。
ドイツやベルギーとの国境に程近い丘陵地帯にマーストリヒトはあります。
町の歴史は古代ローマ時代にまで遡り、オランダで最も古い町と言われています。
紀元前50年、マース川の岸辺にローマ人が建設した居留地がマーストリヒトの前身です。

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マーストリヒトの旧市街の南側には、古い城壁が残されています。
14世紀には、二重の城壁を持つ強固な要塞都市として栄えました。
城壁にはオランダ最古の門と言われる「地獄の門」が残っています。
18世紀国中にペストが蔓延した時に、多くの患者がこの門を通って施設に収容されたことから名付けられました。

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旧市街の中心部「マルクト広場」には、17世紀に建てられた市庁舎があります。
市庁舎の正面には大きな一対の玄関があります。
これは過去、マーストリヒトを2大勢力が治めたことを表しています。

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「ビショップス・モレン」は、地元っ子に人気のベーカリーです。
店名のビショップス・モレンは、「司教の水車」という意味。
神聖ローマ帝国の司教が町を治めていた7世紀の水車が、今も使われています。
完成から1000年以上、現役で活動する水車としてはオランダで最も古いものと言われています。

店では水車を使って地元産の有機小麦を挽き、伝統のレシピでパイを焼きます。
最も人気があるのはリンゴとヘーゼルナッツのパイ。
サクサクの粉とジューシーな果物がよく合います。

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旧市街の一角にあるフライトホフ広場の正面に、マーストリヒトの歴史を今に伝える建物、フライトホフ博物館があります。
中世の家具や食器、時計などマーストリヒトの職人が作ったものが当時の雰囲気のままに展示されています。
マーストリヒトは、19世紀には陶器の町としてもその名が知られました。

当時輸入量が少ない日本や中国の陶器の代わりに作られたというマーストリヒトの焼き物。
白地に青い絵柄で世界的に知られるデルフト焼きと並び、オランダを代表する陶器の産地にまで発展しました。
マーストリヒトの陶器は、ヨーロッパ各国の王室にも献上される高級品でした。

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フライトホフ広場に面して、聖セルファース教会が立っています。
街の守護聖人「聖セルファース」を祀る為に11世紀に建設が始められました。
聖セルファースは、アルメニア人で4世紀にオランダを訪れ、初めてキリスト教を伝導した人物と言われています。
紀元384年にその生涯を閉じると、市民の手により現在の教会の地下に埋葬されました。
今も、その墓が残されています。
キリストの12使徒の一人、聖ペテロから天国の鍵を受け取ったとされる聖セルファース。
天国の門番として、今もマーストリヒトの街と市民を見守り続けています。

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旧市街の「ウォルフ通り」は多くの店が並び、いつも観光客で賑わっています。
通りに面して立つ「シンカライ・デ・ボベル」はいわゆるパブ。
店内は、昼からお客さんでいっぱい。
こうした店をオランダでは「ブラウンカフェ」と言いますが、元々は、大航海時代の船乗りたちが土産話を肴にお酒を楽しんだ場所として始まりました。
「シンカライ・デ・ボベル」はその接客の良さでオランダ最高のブラウンカフェに選ばれました。

常連客のお気に入りは、ブランデーにハーブなどを加えたリキュール。
カウンターでそのままグラスに口をつけるのが、正しい飲み方。
特に、ブランデーにオレンジキュラソーを合わせた「ビッター・ボベルチェ」が一番人気です。

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マーストリヒトには街のあちこちに古い建物が残っています。
1226年に建てられた教会を2006年に改装した書店、セレクシーズ・ドミニカネンは英ガーディアン誌で「世界一美しい書店」として紹介されました。

教会は元々カトリックの一派、ドミニコ会のものでしたが18世紀フランス軍の侵攻の際に軍の厩として使われて以来、教会には戻さず、様々な用途で使われ続けました。

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マーストリヒト郊外の丘陵地帯に古い城を利用したレストランがあります。シャトー・ネールカンヌ。
中世に貴族の城として築かれ、17世紀以降は、マーストリヒトの実力者の迎賓館として使われてきました。

敷地内には城の建物以外に、石切り場を利用したワインセラーがあります。
1992年にヨーロッパ連合、EUが創設された際調印はマーストリヒトで行なわれました。
その時集まったヨーロッパ各国首脳のサインがここに残されています。

ミシュランの星を獲得しているレストランの自慢は、子牛の胸腺肉のトリュフソース。
一般的にオランダ料理は地味で美味しくないと言われますが、国境に近いマーストリヒトでは各国の影響を受けた独自の食文化が育まれてきたため、オランダを代表する「美食の都」と言われるようになりました。

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マーストリヒトから北におよそ40キロ。
ベルギーとの国境のほど近くに、「トールン」の町があります。

トールンは別名「白壁の街」とも言われています。
10世紀から、独自の法と通貨を持つ小さな国だったというトールン。
窓の大きさによって税がかけられたため、住民は重税を逃れる為に窓を小さくし、壁を白く塗りました。

街の中心にあるのはトールン教会。
10世紀の修道院跡に建てられた教会で、街を治めていた修道院長の宮殿として使われた歴史もあります。

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春のオランダの味覚の代表は白アスパラガス。
そんな土地の恵みを味わえるのは、ミシュランの2つ星レストラン、ダ・ヴィンチ。
女性シェフのマルゴ・ローテンさんが作る独創的なアスパラガス料理は、土と水のうまみがしっかり味わえます。

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マーストリヒトから北へ70キロ。
古くからマース川交易の要として発展したフェンローでは今年、10年に一度の花の博覧会、フロリアードが開催されています。

今年は6回目の開催。
世界40カ国、100以上もの団体が出展した花々が66ヘクタール、東京ドーム10個分以上もの広大な会場を彩ります。
今回のテーマは、「自然と現代の人々の生活の共存」。
世界の花市場の6割を占めるオランダから、花のある自然環境の素晴らしさを発信します。

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