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©BS日テレ©BS日テレポルトガル発祥の古都 ポルトからコインブラへ

2015年2月4日 初回放送

今回は、大航海時代を先駆けたポルトガル発祥の地ポルトから、世界遺産の街でありポルトガル最古の大学があるコインブラを巡ります。

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首都リスボンから北へ300キロ、ポルトガル第2の都市「ポルト」があります。元々の名前は「カーレ」。ラテン語で「カーレの港」を意味する「ポルトゥス・カーレ」がポルトガルの国名になったのです。ポルトガル発祥のこの地は「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されています。

旧市街に面して流れるドウロ川にはポルトのシンボルとも言える橋が架かっています。「ドン・ルイス1世橋」。パリのエッフェル塔の設計者として知られる建築家のギュスタブ・エッフェルの弟子が手がけました。
旧市街にあるボルサ宮は1834年に証券取引所の建物として建てられました。古代ギリシャ建築を思わせる重厚な佇まいは、18世紀から19世紀にかけて流行した新古典主義様式を取り入れたものです。ボルサ宮の象徴とも言える部屋「アラブの間」は、スペインのアルハンブラ宮殿をモデルに造られたと言われています。

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ポルトの名物料理である「フランスの女の子」という名前のサンドイッチ、「フランセジーニャ」です。1950年代に、フランスへ渡ったポルトガル移民がフランスの「クロックムッシュ」をヒントに生み出したそうです。

そして世界中で愛されている飲みものもあります。ポルトのシンボル、ドン・ルイス1世橋の近く、「ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア」地区で作られるポートワインです。ポルトの街で最後の熟成をしたものだけが名乗ることを許されるポートワイン。その鮮やかに輝く色合いから「ポルトガルの宝石」と言われています。

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ポルトから南へおよそ100キロ。ポルトガル第3の都市「コインブラ」があります。街は古くからポルトガルの学術と文化の中心地とされ、リスボンに遷都されるまでは、ポルトガルの首都として発展してきました。街の象徴ともいえる「コインブラ大学」が創設されたのは1290年。ポルトガルで最も長い歴史を持つ大学です。

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18世紀初頭に建てられたジョアニナ図書館は、当時のバロック建築の特徴が随所に見られます。内部は華やかな金細工の装飾が施されており、世界中でこれほど美しい図書館はないと言われるほどです。

そしてコインブラ大学から誕生したポルトガルの伝統音楽があります。「コインブラのファド」です。リスボンのファドの多くが女性の心情を歌ったのに対し、男子学生が女性に捧げたセレナーデが元になっている「コインブラのファド」は男性の心を歌うのだそうです。

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コインブラのほど近くにある「コニンブリガの遺跡」は、イベリア半島最大級の都市遺跡とされています。屋敷や商店街、劇場などの遺跡群が、ローマ帝国の繁栄を今に伝えています。

遺跡の近くにある陶器の工房を訪ねました。こちらではコニンブリガ焼きと呼ばれる陶器が作られています。絵付けは現在も全て手作業のため、ひとつひとつデザインが違います。「コニンブリガ焼き」の絵は、森や動物などの自然をモチーフにしています。

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ポルトから南へおよそ200キロ。「トマール」は、街を流れるナバオン川の水により製紙業で栄えました。街を見おろす丘の上に城壁に囲まれた修道院があります。世界遺産の「トマールのキリスト教修道院」です。12世紀にテンプル騎士団により建設されました。テンプル騎士団は、十字軍の戦士としてイスラム勢力と戦った騎士団です。15世紀に騎士団の団長を務めたのがエンリケ航海王子でした。王子は騎士団の豊富な資金力と海外での知識を背景に、大航海時代のリーダーとしてポルトガルを海洋大国へと導いたのです。

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