水紀行ラインナップ
©BS日テレ©BS日テレ世界遺産の街並みと美食の都 フランス リヨン

2012年5月23日 放送

ヨーロッパアルプスを望むフランス第二の都市「リヨン」。
その歴史は、古代ローマの植民地として建設された紀元前にまで遡ります。
フランスを代表する大河「ローヌ川」とその支流「ソーヌ川」に挟まれヨーロッパ大陸有数の交易地として発展しました。

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南フランスを豊かに潤し地中海に注ぐ「ローヌ川」。パリの「セーヌ川」や「ロワール川」「ガロンヌ川」と並びフランス四大河川に数えられます。
全長812キロ。フランス北部と地中海地方を結ぶ水路として古くから人や物、文化の交流を、担ってきました。

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リヨンの町を流れるもうひとつの川「ソーヌ」。その沿岸には中世の面影を残す旧市街が広がります。今も市民が暮らすルネサンス期の建物は、その存在自体が奇跡とも評されます。
川沿いにはカフェが立ち並び、多くの市民が憩いの時間を過ごしています。

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紀元前一世紀にローマ人が街を築く前は、古代ケルト人の集落があったというソーヌ川のほとり。
高台の「フルヴィエールの丘」は、「リヨン発祥の地」と言われています。

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丘の上では町のシンボル、フルヴィエール寺院が市民の暮らしを見守っています。
寺院が建てられたのは1896年。建築費用は全て市民の寄付でまかなわれたといいます。
リヨンを代表する建築物であり、年間100万人を超える観光客が訪れています。

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リヨン発祥の地であるフルヴィエールの丘では、古代ローマ時代の遺跡も見る事が出来ます。
紀元前一世紀に建てられたといわれる古代ローマ劇場です。
円形の野外劇場は直径108メートル、当時は1万人の観客を収容できたと言われています。
フランス国内で最も古いローマ遺跡です。劇場では今でもオペラやコンサートなどが開催されています。

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リヨン市の中心部。ソーヌ川の西側に広がる旧市街には、15世紀から17世紀の建物が軒を並べています。中世の面影を色濃く残す街並みは、「ルネサンス建築の最も美しい集合体」として1998年に世界遺産に登録されました。
中世に建てられたアパートは現在人々が暮らしています。15世紀のイタリアで誕生しヨーロッパ各国に広まったルネサンス建築。中庭に面した廊下を持つデザインにその特徴が見て取れます。旧市街にはこうした門がいくつもあり、昼間は観光客が自由に中庭を見学できるよう開放されています。

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リヨンの旧市街には、フランスのどの街とも違う特徴があります。
地元で「トラブール」と呼ばれる路地です。建物の一階部分を通り抜ける細い通路が、街のそこかしこで見られます。絹織物を雨に濡らさずに運ぶ為に作られたとも、デザインを盗まれないよう隠れて運ぶ為だったとも言われています。

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地元っ子で賑わう大衆食堂をリヨンでは「ブション」と呼びます。本来はワインのコルク栓をさす言葉で、料理と一緒にワインを楽しむことか名付けられたそうです。
アンドゥイエットは豚の腸詰めです。「キュネル」は、鳥肉や魚のすり身をラグビーボール型にして焼いたリヨンの郷土料理。そして子牛の胃袋のカツ。料理名は直訳で「兵士のエプロン」といいます。

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リオンの人気パン屋さん、「ジョクトー・ブーランジェ」は創業は21年前。
今ではパリやボルドーにも支店を持つ人気店です。
「ジョクトー・ブーランジェ」では、パン生地を練る大切な水に水道水をそのまま使っています。
アルプスの雪解け水を水源とするリヨンの水道水は、臭みがありません。
また、ヨーロッパでは珍しい軟水のため小麦粉とよく馴染むそうです。
やや柔らかめに焼かれるリヨンのバゲット。その味の秘密にはおいしい水がありました。

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リヨン近郊は、フランスを代表する食材の宝庫として知られています。
豊かな食材のおかげで、リヨン近郊には一流レストランが数多く誕生しています。
ミシュランの2ツ星レストラン「ラ・メール・ブラジエ」。
食の都リヨンで今、最も注目されるシェフが厨房に立っています。そのシェフは、2004年に「MOF=国家最優秀職人章」を36歳の若さで獲得してたオーナーシェフの「マチュー・ヴィアネ」さん。
フレンチ最高峰の料理作りを覗かせてもらいました。
この日のメインディッシュは子牛の首肉。魚料理には地中海のアンコウを使います。
前菜のサラダは地元産のニンジンやカブ、リンゴなどを、スタイリッシュにカットして「黒いダイヤ」と呼ばれるトリュフで、香りのアクセントを加えます。
リヨンの料理人の間にはこんな合言葉があるといいます。
「食材そのままの味を生かす」。それは土地の豊かさへの絶対的な自信とともに、料理の技巧をより研ぎ澄ます決意の現れだそうです。

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食材の宝庫リヨン近郊には、まだまだ一流シェフを刺激する食材があります。
南フランスを代表するブランド鶏「ブレス鶏」が飼育されています。「ブレス鶏」は飼育法が厳しく定められています。
生後4週間から牛乳とコーンを食べさせます。人工的な飼料を使うと「ブレス鶏」とは認めてもらえません。
フランスでもめったに食べられない幻の鶏です。

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リヨン市からソーヌ川を上流へ、フランス有数のワインの名産地があります。
「ボージョレ」です。ボージョレワインは、ボージョレの丘陵地帯にある12の村で作られています。
「ブノア・トリッシャー」は12の村の一つ、「ムーラン・ア・ボン村」にブドウ畑を持つワイナリーです。幾つものコンクールで賞に輝く名門です。ムーラン・ア・ボン村では赤ワインだけが作られ、ボージョレの最高級銘柄の産地です。ボージョレワインの生産量はボトルにして年間1万本以上。「食の都」リヨンでも多く飲まれています。リヨンの人々はボージョレのワインを、「ローヌ川」と「ソーヌ川」に続く3番目の河と呼んでいるそうです。

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