第62回 純喫茶のたしなみ
2019年10月19日 放送
“純喫茶のたしなみ”をおさらい
◎純喫茶
「アルコールを出さない、純粋な喫茶店のこと」
昭和初期のころ、アルコール類を扱い女性が接客する「特殊喫茶店」、
今でいう「キャバクラ」のような店と区別するために、
純粋にコーヒーを飲むための店を「純喫茶」と呼ぶように。
今では、昭和の雰囲気がある、渋い喫茶店を「純喫茶」と呼ぶことが多くなった。
◎神保町の喫茶店で生まれた飲み物
ウィンナーコーヒー
神保町にある喫茶店「ラドリオ」が発祥と言われ、
留学生が教えてくれたウィーン風の飲み方をヒントに
コーヒーを冷めにくくするため、生クリームでフタをしたのが始まりなんだそう。
◎たしなみスト
ほぼ毎日喫茶店に通う喫茶店愛好家 飯塚めりさん
イラストレーターである彼女は、訪れた喫茶店を絵日記にしたため、書籍化。
お店のメニューとともに、喫茶店でのお客さんの会話や、気になる内容をイラストで紹介。
◎お店の名物をたしなむ
◆純喫茶なのに焼き魚定食が食べられる赤羽の名店・友路有(トゥモロー)
▼焼き魚定食 540円~
飲み物は、コーヒー、紅茶、日本茶から選べる。
定食の卵を、生卵、ゆで卵、卵焼きから選べるのも、嬉しいポイント。
◆落ち着いた照明とムーディーな空間フレンチスタイルの純喫茶・カフェトロワバグ
▼グラタントースト800円
ハムとチーズをサンドしたパンに、手作りのベシャメルソースをかけ、
焦げ目がつくまでトースターで焼いた、人気の一品
◎”フレンチスタイル”
喫茶店の内装スタイルのひとつ
そのスタイルを作り上げたのが、建築デザイナーの松樹新平さん。
▼松樹流フレンチスタイルの特徴①
あえて隠さず、表に出した木の梁や漆喰の白壁など、
フランスの田舎の家をイメージした内装
▼松樹流フレンチスタイルの特徴②
フランス語の店名
「トロワバグ」も、フランス語で、「3つの輪」という意味。
店主の三輪(みわ)さんの名前にちなんでいる
◎フレンチスタイルのお店の特徴
コーヒー豆を数年寝かせた「オールドビーンズ」を使用
その豆を使って、丁寧に布でドリップしたコーヒーは酸味が柔らかく、まろやかな味わいに
コーヒーカップを選んでくれるのも、フレンチスタイルにあるおもてなし
主役のコーヒーを引き立てる、シンプルなデザートも特徴の一つ。
◎神保町
出版社の打ち合わせ場所として喫茶店が発展
神保町には、古くから営業を続けている喫茶店が多く喫茶店の聖地とも呼ばれている。
◆学習院大学生御用達、ノーブルな純喫茶・「伴茶夢」(バンチャム)
店名の由来は、アラビア人がコーヒー豆を「バン」と呼び、
その飲み物を「バンチャム」と呼ぶことから、
コーヒーを飲みながら、共に夢を語り合ってもらいたいと名付けた。
▼カフェクイーン 700円
ジョッキを器にしたカフェクイーン。
コーヒーシェイクの上に生クリームをトッピングしているボリューム満点の飲み物
▼パンカレー 620円
特注の山型パンにマーガリンをたっぷりと塗り、食感を良くするため、
オーブンに入れる前にパンに切り込みをいれるのがポイント
熱々のトーストの上に乗せるのは、数種類をブレンドしたお店のオリジナルカレー
◆海外旅行気分が味わえるメルヘンな純喫茶・gion(ギオン)
店内はレトロな雑貨や装飾品で飾られ、ノスタルジックでメルヘンな装い
店内には天井からぶら下げられた、ブランコに座ってくつろげる人気の「ブランコ席」が
▼ナポリタン 840円
創業以来40回以上レシピの改良を繰り返しているというお店名物ナポリタン
ソースにはケチャップやワイン、醤油など20種類以上の材料を使っている。
しっかり目に炒めた細麺がソースによくからむ、お店の看板メニュー。
<純喫茶のたしなみPOINT>
・豊富なメニューを攻略するために通いたくなる
・伝票の裏から店の想いを垣間見る
・自分好みの喫茶店テイストを探す
・遠方の店でも住んでいる妄想をしながら訪れる
・メニュー表で間接的に店を味わう
・店の雰囲気を損なわない過ごし方を心がける
◎新しい純喫茶をたしなむ
◆村田商會
JR西荻窪駅から徒歩3分の場所にある喫茶店、
今年1月に新しくオープン
元々は、45年間続いた「POT」という老舗の純喫茶が2018年にマスターの引退とともに、閉店。
その喫茶店を丸ごと引き継ぎ、新しく喫茶店を開店させたのが、店主の村田龍一さん
元々会社員だったという村田さんは店じまいした喫茶店の家具を引き取ったのをきっかけに
閉店したお店の家具の販売をインターネットで開始。
ついには喫茶店好きが高じて、廃業した喫茶店を引き継ぎ自分の店をオープンすることに。
古き良き喫茶店を残すために、これからも看板を守り続けていくそうです。
バカリズム 今夜の総括
「こだわりの強いメルヘンチックな店主を描きました」