第102回 貝
2020年11月19日 放送
"貝のたしなみ"をおさらい
■貝をたしなむ〜漁港で浜焼きをたしなむ〜
▼大人のたしなみ:まずは貝を育む母なる海に一礼。
貝は、生息する海の水の冷たさ、流れの速さによって味や食感が大きく変わる。そのため、美味しい貝を育んでくれる海には常に感謝の気持ちを持つ。
▼大人のたしなみ:ハマグリの浜焼き
テレビ番組などでよく見かける貝が勢いよくパカっと開く貝。
一見美味しそうに見えますが、実はこれ、うま味がだだ洩れ状態。
せっかく貝から出た濃厚な出汁が全てこぼれてしまいます。
勿体ないので蝶番を切ってエキスの流出を防ぎましょう。
新鮮なハマグリは強火で3分ほどレアで食べるのが延田さんのオススメ。
ちなみに自信のない方は、アルミホイルに包んで焼くのがオススメ。
5分ほどで中まで火が通りエキスがこぼれる心配はありません。
▼大人のたしなみ:ナガラミの塩茹で
巻貝の一種「ナガラミ」を調理。肝部分は生では食べられないので、塩茹でにして食べるのが延田さんのオススメ。
ナガラミは出汁がよく出る貝なので、味噌汁にしても良い。
また、小ぶりな貝は強火で茹でると身が縮んで硬くなりやすいので弱火で調理するのも大事なポイント
■貝をたしなむ〜貝のフルコースをたしなむ〜
【焼貝あこや】東京都渋谷区恵比寿 (恵比寿駅から徒歩約2分)
調理場の目の前には一枚板のテーブル。
食器棚もこだわりのアンティークで揃える大人の空間。
▼【貝のフルコース】 6500円(税抜)※時期によってメニューが異なります
①先付け(貝出汁)
本格的に貝を味わう前に、まずは風味豊かな貝の出汁を味わう。
貝出汁はアサリやハマグリからとった出汁を塩とお酒で整えたシンプルなもの。
アサリやハマグリなどの2枚貝にストレスを与えると、コハク酸と呼ばれるうま味成分が強くなり、またお肌にも良いと女性に人気のメニュー
②活貝(刺身)
この日は、新鮮な平貝、つぶ貝、ホッキ貝、生牡蠣の3種。
延田さんオススメの食べ方は味の淡白な順に食べること。
徐々に強くなる磯の香りを楽しみましょう。
そして、海のミルク牡蠣。10センチはある大きな牡蠣は、北海道仙鳳趾産。
小ぶりの牡蠣は、兵庫県室津漁港から仕入れた逸品。
北海道仙鳳趾産の牡蠣はさっぱりとした塩味が特徴。
兵庫県室津漁港から仕入れた牡蠣は濃厚でクリーミーさが特徴。
産地によって変わる牡蠣の味わいも楽しみましょう。
③煮貝
香りを楽しんだ後は、巻貝の一種バイ貝とシッタカの煮付けをいただきます。
バイ貝など小柄な貝は生よりも醤油で煮込み身を柔らかくして食べるのがオススメ。
シッタカは苦味のある肝がまろやかに火を入れることで甘さが増します。
また、シッタカは肝の色でオスメスの判別が可能。
オスの肝は白く、数百に1個の珍しい希少な貝。まろやかな味わいが楽しめます。
緑色のメスは、ほろ苦い味わいです。
④茶碗蒸し
貝のフルコース、大人のハーフタイム。
「焼貝あこや」の名物メニューの一つ。
ふわふわの食感を楽しんでもらうため、貝の身を使わず、貝の出汁に卵というシンプルな材料だが、出汁の深く優しい味わいが出た落ち着く一品。
⑤焼貝
王道の大アサリ(ウチムラサキ貝)、身の引き締まったサザエ、磯の香りを充満させるホッキ貝をいただきます。
大アサリは焼き上がりのタイミングで主食の海苔をたっぷりと。
サザエは火を通しすぎず食感が残るようにレアで。
ホッキ貝が酒盗と合わせることでホッキ貝の持つ甘みとのコラボレーションを演出。
⑥蒸し焼き
貝の王様“アワビ”は刺身も蒸し焼きもどちらも美味しいですが王様といわれる由縁はその香り。アワビは香りをたしなみましょう。
また、アワビは身の弾力が強く、噛めば噛むほど磯の豊潤な香りが溢れてきます。
●貝のなめろう (※サービス品)
赤貝やつぶ貝など4種類の貝の肝を微塵切りにし、自家製の味噌と合わせ濃厚な旨味を引き立たせます。
仕上げに生のホタテの貝柱と和えた貝のなめろう。
濃厚な味わいでお酒が進むこと間違いなしの一品。
▼酒好きにはたまらない一品
残ったホッキ貝の出汁に宮城県石巻の地酒「日高見(ひたかみ)」をそそぎます。
魚の町で生まれた日高見は酒そのものの味を主張せず繊細な貝の風味を引き立たせます。贅沢すぎる大人の熱燗です。
⑦貝の炊き込みご飯
貝のフルコースもついにクライマックス。
使用するのは、今が旬の牡蠣、ほたて、つぶ貝、あさり、はまぐり。
うま味たっぷりの出汁と一緒に、貝の炊き込みご飯に仕上げます。
■貝をたしなむ〜北海道産ホタテのお取り寄せ〜
延田さんが厳選したふるさと納税にもぴったりなお取り寄せ貝。
それが北海道のホタテ。1kg約7,000円〜購入可能。
北海道産ホタテの中でもこれから春にかけて旬を迎えるのが垂下式(すいかしき)と呼ばれる海中で吊るして育てた養殖のホタテ。
栄養豊富な海で育ったので肉厚で甘みのある身が特徴。
今回、延田さんがオススメしてくれたのは「味噌焼き」
●ホタテの味噌焼き
【材料】
ホタテ
カツオ出汁(インスタントでも可)
味噌(味噌汁に使うものでOK)
ホタテ(今回は北海道産)
卵黄
ねぎ
カツオ出汁をホタテの貝殻へ入れ味噌を溶かします。
味噌が溶けたら切ったホタテの身を戻し、卵黄を落としてかき混ぜ、ねぎをのせて完成。たったこれだけで酒のアテにぴったりなホタテの味噌焼きの完成です。
●リゾット
さらに、食べ終わった後のお楽しみ。
残った味噌の貝出汁にご飯を入れ、バターと混ぜて火を通し、ネギをのせて完成。
旨味の詰まった残りの出汁で炊くリゾット。
貝の深い出汁と味噌のコクをまろやかなバターで包んだ逸品です。
バカリズム 今夜の総括
「ファーストミットみたいな貝。手を突っ込んだらボール取れそう。」