放送内容
放送内容
2023年10月22日
パラ陸上・視覚障がいクラス、福永凌太選手 25歳。
視力は現在0.06程度。
視野は中心部分がかけていて周りがすりガラスに覆われているような見え方です。
1998年、滋賀県野洲市で生まれた福永選手。
小さいころから走ることが大好きでした。
小学4年生のとき、学校の視力検査の結果が悪く、
病院へ行くと進行性の病、錐体ジストロフィーが発覚。
小学校では陸上クラブに所属し、記録が伸びる楽しさを感じて陸上にのめり込み、
中学でも陸上部に入り、棒高跳に挑戦。
夢はオリンピック出場でした。
高校ではインターハイに出場するほど実力を伸ばすと、名門・中京大学に進学。
当時の監督から勧められ始めたのが十種競技でした。
しかし、視力の低下により、得意種目の棒高跳では棒を突き刺す位置が見えず、感覚頼みに。
見えないことへの恐怖心と戦いながらの競技生活。
情熱とは裏腹に、成績は伸び悩みました。
福永選手が大学4年生のとき、転機が訪れます。
お母さんの「やってみたら」の一言でパラ陸上への転向を決意。
夢はオリンピック出場からパラリンピックでのメダル獲得へ。
すると、パラ転向から半年後の2021年4月。
国内最高峰の大会・ジャパンパラで100mに出場し、当時の日本記録を更新。
転向してからおよそ3年。
現在は、200m・400m・走幅跳・円盤投の4つの日本記録を持ち、うち一つはアジア記録に。
走りを生み出すストロングポイントが十種競技で培ったスピードと持久力。
福永選手が大学4年間取り組んできた十種競技は、短距離の100mから中距離の1500mまで幅広い走力が必要とされるため、取り組んだのが「筋トレ」。
今年7月、フランスで行われた世界選手権。
400mに出場した福永選手は47秒79で初出場ながら金メダルを獲得。
来年のパリ出場枠を獲得しました。
福永「悔しい思いをすることが多かったが、世界選手権で優勝することができて
たとえ目が悪くても、今の自分の身体で良かったなと思います。
自分のことが大好きだなって言えるような試合になった。」と話しました。