ストロングポイント

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放送内容

第76回 陸上 走り幅跳び 山本 篤④

2017年07月29日 放送

2016年リオパラリンピックにおいて、走幅跳とリレーで2つのメダルを獲得した日本パラ陸上界の第一人者・山本選手。6月の日本選手権では6m38cmを跳び、優勝を果たした。翌7月の世界選手権で目指すは優勝、そして、世界記録更新。ストロングポイント「義足と一体化したスピード」で、その目標は達成されたのか?

高校2年の時に事故で左足太ももから下を失った山本選手。事故の2年後に競技用の義足と出会って陸上を始めると、才能はすぐさま開花。アジア記録を打ち立て、数々の国際大会を制した。

走り幅跳びのルールは、基本的には健常者と同じで、1人6回の跳躍を行い、その距離を競う。 山本選手が出場するのは、片足の太ももから下を切断したT42クラス。この世界記録は、去年、ドイツのポポフ選手がマークした6m77cm。山本選手の自己ベストは、6m62cm。その差はわずか15cm。
世界選手権を1か月後に控えた今年6月、東京・駒沢で行われた日本パラ陸上選手権。山本選手の世界新記録更新に期待が高まっていた。結果は6m38cm。自己ベストには及ばなかったものの、世界選手権に向けてのまずまずの記録だ。

現在、山本選手は、空中姿勢=フォームの改造に取り組んでいる。ハングテクニックとヒッチキックテクニックの良いとこ取りしたジャンプが理想だと言う。
ハングテクニックとは、空中で大きく体を反らせて手足を前に戻した勢いで、前方に伸ばした足から着地する跳び方。一方のヒッチキックテクニックとは、上体は真っ直ぐ立てたまま、空中で走るように足を回しながら着地する跳び方。この2つの跳び方を組み合わせたフォームがバッチリ決まったのが去年のロンドンでの大会。山本選手は自己ベストとなる大記録、6m62cmをマークしたのだ。
実は、決まったコーチにつかず、練習メニューやスケジュールは自分で組み立てる山本選手。良いと思うものはどんどん貪欲に取り入れ、かつストイックに練習に励む。試行錯誤を繰り返して理想のフォームを追い求め、記録更新を狙う。
そして迎えた世界選手権。山本選手は今シーズン最高の6m44cmを記録するも、結果は2位。惜しくも3連覇は達成されなかった。しかし、その目は、すでに3年後を見据えている。
「自分が現役の時にパラリンピックが自国開催なんて、滅多にないこと。年齢の問題はあるが、やっぱり目指す価値はある。そして、やるからには世界一を目指す。これからの3年間、色々な試行錯誤をしながら、東京パラリンピックでピークを迎えられるようにやっていきたい」
日本パラ陸上界を牽引する35歳。山本選手の挑戦は、まだまだ続く。

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