ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第71回 車いすフェンシング 櫻井杏理

2017年06月24日 放送

今年、車いすフェンシングのワールドカップで銀メダルを獲得した櫻井選手。フェンシングを始めて3年、生まれ持った運動神経と負けん気の強さでナショナルチームの一員となり、男子にも勝る勢いだ。日々の地道な反復練習で、アームを狙うストロングポイントに磨きをかける。今回は、香港のメダリストを招待しての練習試合を取材。東京を目指す櫻井選手の今に迫った。

車椅子フェンシングとは、互いの車椅子を固定した状態で剣を突き合い、ポイントを競う競技。数メートルの空間で、技術と駆け引きがせめぎ合い、火花を散らす。
2014年に競技を始めた櫻井選手。着実に力を付け、今年2月のワールドカップではなんと銀メダルを獲得した、世界を狙える逸材だ。

小さい頃から活発で、高校では陸上部で活躍した櫻井選手。陸上の影響で患っていた椎間板ヘルニア。20歳の時に受けた手術がうまくいかず、下半身不随の後遺症を負った。手術から3年、夏はサーフィン、冬はチェアスキーに没頭するも、年間を通して打ち込める競技を探していた。そうして出会ったのが、車いすフェンシング。未知のスポーツに取り組む喜びを感じ、猛練習を重ねて着実に力を付け、競技開始からわずか3年、ワールドカップで銀メダルを獲得したのだ。しかも、日本女子18年振りの快挙だったという。

3年後の東京パラリンピックでのメダルを視界にとらえた彼女には、世界で勝つための武器がある。それは『アームを仕留めるクーペ』。「クーペ」とは、相手の剣を弾いてすかさず素早く突く、防御と攻撃が一体となった技。中でも難しいとされるのが、相手の腕“アーム”を狙ったクーペ。その難しいクーペを得意とし、日々の反復トレーニングで磨きをかけている。
今年4月、東京で行われた日本代表の強化合宿。ここに招待されたのが、香港のチャン・ユイ・チョン選手―北京で金、パラリンピック4大会連続のメダリストだ。この世界トップクラスの選手との対戦を誰より心待ちにしていた櫻井選手。実戦形式の練習試合では見事に勝利!しかし、アームを狙ったクーペがなかなか決まらないなど、自身の技の精度や、チャン・ユイ・チョン選手の精神的な強さを痛感、さらなる課題が見えた試合でもあった。
2020年、東京の表彰台を目指し、365日フェンシング漬けで奮闘する28歳。櫻井選手の進化はまだまだ続く。

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