ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第68回 パラ卓球 岩渕幸洋②

2017年06月03日 放送

世界大会を4度も制覇し、日本代表となった岩渕幸洋選手。早稲田大学を卒業しパラ卓球界初の実業団入りを果たした彼のストロングポイントは、卓球台に身体が当たりそうなほど前に出る「超攻撃的な前陣でのプレイ」。一瞬で相手を仕留める新たな技とは?驚きの強さの秘密に迫る。

パラ卓球は障がいの種類や程度によって分けられたカテゴリーごとに戦う。
ルールは健常者の卓球とほとんど同じだ。生まれつき左右の足が内側に曲がる先天性内反足という障がいがある岩渕選手は、立位のカテゴリーのなかで2番目に軽いクラスに属する。

この春、大学を卒業し、社会人になった岩渕選手は、実業団日本一にも輝いた卓球部を擁する製薬会社で営業の仕事をしている。そんなの強豪チームの中で、パラアスリートは岩渕選手だけ、国内の実業団でも初のことだ。岩渕選手が所属するチームを率いるのは、かつて全日本男子の監督も務めた日本卓球界の名将・佐藤真二さん。佐藤監督は、障がいを越えた日本卓球界のさらなる発展を願い、岩渕選手をスカウトしたという。そして、健常者とともに切磋琢磨する道を選んだ岩渕選手。必死についていく中で、格段のレベルアップを実感しているという。

岩渕選手のストロングポイントは、「超攻撃的な前陣でのプレー」とにかく前で戦うこと、なのだ。足に障がいを持つ岩渕選手にとって、フットワークは最大の弱点。しかし、弱みを強みに変えれば武器になる―そう考え、動く範囲を抑えられる前陣での戦術を追求した。そうして、卓球台近くの前陣で、サーブからわずか3球で仕留める、先手必勝のこの攻撃パターン「3球目攻撃」を体得、敵を打ち破って来た。この技を可能にするのは、同じフォームでさまざまな回転のサーブを打ち分ける技術だ。対戦相手は、岩渕選手の変幻自在なサーブに翻弄され、強いリターンを返すことができず、チャンスボールとなる。

学生時代、数々の大会で優勝した岩渕選手。メダルも期待される中で参戦したリオパラリンピックだったが、結果は惨敗。学生最後の年に味わった挫折も、もう気持は2020年に向かっている。現在、さらなる進化を目指して参考にしているのは、岩渕選手と同じく、前陣でのプレーを得意としている福原愛選手。岩渕選手が注目するのは、彼女の必殺技、ラケットのラバーを巧みに使い分けた『反転バックハンド』。ラバーを瞬時に反転させ、相手の意表を突いてミスを誘う技だ。その強力な武器を習得すべく、練習に励んでいる。
世界のトップクラスと渡り合うために… 岩渕選手の未来への挑戦は続く。

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