ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第66回 柔道 永井崇匡

2017年05月20日 放送

視覚障害者柔道の全日本大会2連覇中の永井崇匡選手、22歳。
一見、簡単に決まっているように見える、永井選手の技。実は、瞬時の判断と緻密な計算によって導き出されていた。単なる駆け引きにとどまらない、技への導き方とは?2020年の東京へ。パラ柔道界で期待を集める新星、その強さを支える類まれなパワーと頭脳に迫った。

1995年、群馬県に生まれた永井選手。視力に障がいを持って生まれ、わずか1歳で全盲に。小学1年生で始めた柔道、実際に技をかけてもらうことで体で技や技術を覚えてきたという。
2年前からはブラジリアン柔術を習い始め、いろいろな技を研究している。柔道でも柔術でも、「技をかけられること」が自身の引き出しを増やすことにつながるので、さまざまな技をかけてもらい、身体と頭に覚えこませるのだ。
中学から盲学校の寮に入り、現在は都内で一人暮らしをしながら学習院大学に通う。この春、大学3年生になった。親元を離れてもう10年、一人で何でも出来るようになりたい思いで、家事も学業も楽しくこなしているという。
練習を積む学習院大学の柔道部。実は、永井選手以外の部員は全員が健常者だ。日々、同じ練習メニューをこなす永井選手に、他の部員は、彼が全盲であることをつい忘れてしまうほどだと言う。

昨年の全日本視覚障害者柔道大会では全て一本勝ちで優勝、二連覇を果たした永井選手。そのストロングポイントは『技へ導く構成力』。次の技への展開を、瞬時に、論理的に考え、どんな状況からでも自分のパターンに持っていく。
例えば、「相手が上」の状態は本来不利な体勢だが、彼は「両手と両脚で相手の体勢を把握して、その後、相手をコントロールして押さえ込んだり関節を取ったり出来るので、下の方が得意」だと言う。下の体勢から相手の帯を抱え込んでひっくり返し「抑え込み」へ移行することもあれば、「関節技」や「絞め技」を狙って一本取ることも。どこからでも一本を取りに行けるのだ。
実は、大学での彼の専門は『数学』。中学生以来、数学の面白さに魅せられ教師を目指している。2桁の掛け算も暗算でこなせる明晰な頭脳に「技へ導く構成力」のヒントが隠されていた。数学に取り組む際、永井選手は「頭の中にいくつかのパターンを瞬時に思い浮かべ、一番よさそうな方法に当てはめて解いていく」という。つまり、数学の答えを導きだす過程と柔道の一本を取るまでの過程が同じなのだ。

現在は出稽古で他大学や社会人選手と一緒に練習し、いくつもの技のパターン、バリエーションを覚え、さらにストロングポイントを磨いている。
パラ柔道界・期待の星、永井崇匡。その計り知れない頭脳とパワーとで、2020年東京での金メダルを目指す!

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