ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第64回 ブラインドサッカー ブラジル代表

2017年05月06日 放送

昨年のリオで驚異のパラリンピック4連覇を成し遂げ世界ランク1位に君臨し続ける、ブラインドサッカー・ブラジル代表。彼らのストロングポイントは「攻撃力」。そんな絶対王者・ブラジル代表が、日本との親善マッチのために来日!8日間の日本滞在で見せた、圧倒的な強さの秘密に番組ナビゲーター・上田晋也が迫った。

ブラインドサッカーは、全盲の選手がアイマスクをつけて行う競技。転がると音が鳴るボールを使用する。さらに、監督・コーチ・「ガイド」と呼ばれる役割の人が、シュートのタイミングなどを声で選手に伝えるのだ。そのように「音」や「声」を頼りにプレーする繊細な面と、サッカーならではのスピードと競り合うハードな面をあわせ持つのがブラインドサッカーだ。

サッカー王国・ブラジルには、ブラインドサッカーのクラブチームも70以上ある。そして、リーグ戦・カップ戦など、年間を通して数多くの試合が行われ、そこで活躍する精鋭だけがブラジル代表になれるのだ。
今年3月中旬、さいたま市で行われたブラジルx日本の親善マッチ。日本代表は善戦したが、終わってみれば4対1、王者・ブラジルがその貫禄を見せつけた。
ブラジル代表のストロングポイントは「圧倒的な攻撃力」。その秘密は「0-1-3」のフォーメーションにある。
0-1-3システムとは、ディフェンスを設けず、前線に3人を配置する超攻撃的布陣。ゴールを3つの方向から狙えるほか、ボールをサイドに展開して中に入れるなど、多彩な攻撃パターンを生み出すことが出来る。ただし、途中でカットされたらすぐさまカウンターで失点する可能性が高い。他ではなかなかマネ出来ないこんな極端な戦法が可能なのは、ボールを失わない圧倒的なドリブル技術あってこそ。脚に吸いつくようなドリブルで相手に奪う隙を与えないのだ。
そして、番組ナビゲーター・上田晋也が観戦して気付いたもうひとつのポイント、それは、ルーズボール奪取力。ボールが蹴り出された瞬間すぐさま進路を察知・反応、ボールが見えているかの様な無駄のない正確な動きでルーズボールを奪う。ディフェンスを置かないブラジルの超攻撃的布陣。それを可能にするのが、高いドリブル技術とルーズボール奪取力なのだ。
そしてもうひとつの強さは「正確なシュート」-そのカギになるのは、選手と「コーラー」との連携だ。一般的なコーラーは選手に、ゴールの距離や角度、シュートタイミングなど、さまざまな情報を細かく伝えるが、ブラジルのコーラーは「マルキーニョ、ここだよ、ここだよ!今だ!」といった、驚くほどシンプルな指示を出すのだ。
一瞬の判断が求められるシュートにおいて、コーラーの細かい指示を聞いてからではベストなタイミングを逃してしまうと考え、ブラジル代表チームはコーラーの指示を極力シンプルにし、選手が素早くシュートの体勢に入れる体勢を作った。そして、ブラジル代表のこの精度を実現するのは、毎月1回行われる10日間の合宿。選手とコーラーが長い時間をかけて一緒に練習し、信頼関係・連携を深める。日本代表も、毎月1回、合宿を行っているが、そのほとんどが2日間程度。選手とコーラーが連携を深める時間に圧倒的な差があるのだ。

日本代表戦から5日後、ブラインドサッカークラブチーム選手権に参戦したブラジル代表。ここでも自慢の「超攻撃的システム」を駆使し見事、優勝。ピッチを一旦離れれば日本の文化を大いに満喫、チームの結束もより深め、今回の日本遠征を終えた。
ブラインドサッカー世界最強・ブラジル代表。2020年の東京パラリンピックでは前人未到の5連覇に挑む!

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