ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第63回 陸上 走幅跳 高田千明

2017年04月29日 放送

去年のリオパラリンピック、視覚障がい 走り幅跳びで8位入賞。世界で活躍する高田選手のストロングポイントは「スピードに乗ったジャンプ」。100メートル走で日本記録を叩き出した世界トップレベルのスプリント力、そのスピードから生まれる跳躍。2020年東京パラの頂点を目指し、跳躍のスペシャリスト・井村久美子コーチを招聘した。挑戦し続ける32歳、高田選手に密着した。

東京都出身、先天性の病気で小さい頃から視力が弱かったという高田選手。しかし、幼い時分から走ることは大の得意、徒競走ではいつも1番。19歳で完全に視力を失うも、走ることへの情熱を失うことはなかった。
専門学校の先生から勧められ、20歳で本格的に陸上を始める。すぐさま面白いように記録が伸び、ジャパン・パラリンピックで優勝、さらに、九州チャレンジ陸上大会でも優勝するなど、名だたる大会を制覇。一躍注目の的となり、今や国際大会でも活躍する存在に。

高田選手が出場するのは、パラ陸上の視覚障がいT11クラス。健常者の走り幅跳びと大きく違う点は、手拍子と声で助走や跳躍のタイミングを知らせるガイド役「コーラー」がいるということ。高田選手はのコーラーは、コーチの大森盛一さん。10年ほど前、陸上クラブで出会って以来のタッグだ。
全盲クラス走幅跳の日本記録保持者、高田選手のストロングポイントは、「スピードに乗ったジャンプ」。その秘密は、全力疾走できる彼女ならではの助走速度にある。
走り幅跳びにおいて、助走速度が上がればジャンプの初速も上がるため、距離が伸びることがわかっている。全盲クラスでは、全力疾走できる選手がきわめて少ない。そんな中で、19歳の頃までかすかに視力があったため高田選手には全力疾走の経験と感覚が残っている。実は高田選手、リオ・パラリンピックでは、走幅跳のほか、100メートルでも日本記録をマーク、世界ランク22位のスプリンターなのだ。この圧倒的なスピードこそが、遠くまで飛ぶジャンプへとつながる、彼女の最大の武器。

今年、来たる東京パラリンピックでの飛躍を目指し、大森さんに加えてもうひとりコーチを招聘した。北京オリンピック女子走り幅跳び日本代表、現役時代は「イケクミ」の愛称で親しまれた日本記録保持者・井村久美子さんだ。
高田選手のジャンプを分析した井村さんは、踏切後の彼女のフォームに着目。腕が縮こまり、目線が下に向く傾向で、着地が早まってしまっていることを見抜く。そうして、踏切フォームの改善に着手した。中臀筋を中心に体幹を鍛え、左右がぶれない体を作り上げる。結果、高田選手は踏切後の恐怖心を克服し、縮こまっていた腕を大きく上げられるように、目線も真っ直ぐにすることができてきている。
課題を丹念にあぶり出し、自身のストロングポイント、「スピードに乗ったジャンプ」に磨きをかけていく高田選手。2020年、東京パラリンピックの頂点へ!家族、コーチ、支えてくれる人たちとの絆を胸に、さらなる飛躍を誓う。

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