ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第58回 車椅子バスケットボール 藤井郁美

2017年03月25日 放送

車椅子バスケットボール女子日本代表、藤井郁美選手は、北京パラリンピックにおいて得点ランキング3位という実力者。パラスポーツでは数少ないママさんアスリートでもある彼女の武器とは?車いすバスケと主婦、二刀流の藤井選手のストロングポイントに迫る!

小学3年生でバスケットボールを始めた藤井郁美選手。しかし、中学3年の時、悪性の骨肉腫が発覚。人工関節となり競技活動を断念するも、高校に入って車椅子バスケットボールと運命的に出会い、すぐさま頭角を現す。2006年、オランダ開催の世界選手権に初出場、日本代表の仲間入りを果たす。2008年にはパラリンピック北京大会に出場し、4位入賞。世界の強豪に肩を並べる活躍ぶりだ。

車椅子バスケットボールは、障がいの度合いに応じて各選手に持ち点があり、コートに立つ5人の選手の持ち点合計が14点以下になるようチームを組むのがルール。程度が最も重いのが1.0、程度が軽くなるほど持ち点が高くなる。藤井選手の持ち点は4.0。3.0以上の選手は「ハイポインター」と呼ばれ、その多くは体格の大きさと高さとを生かしてゴール下エリアで得点を稼ぐ。しかし、身長159センチと小柄な藤井選手はゴール下での得点は困難。そこで、ディフェンスが密集しないアウトサイドからのシュートを武器にしようと決意。さらに、体格差を克服するために、相手にディフェンスする間を与えないクイックモーションでシュートする。相手の対応が間に合わず、ゴール率がグンとアップする。こうした努力と磨き上げた技で、藤井選手のストロングポイント「正確無比なアウトサイドシュート」が生まれた。
車椅子バスケを始めた頃は、地元・神奈川県のチームに所属していた藤井選手だったが、世界に通用するプレイヤーになるため、日本選手権8連覇中の常勝チーム「宮城マックス」へ移籍。故郷を離れ、男子と一緒に練習できる厳しい環境を選んだのだ。

日本代表は、北京大会後のロンドン・リオと2大会連続でパラリンピックの舞台から遠ざかっている。今年2月に行われた車椅子バスケットボールの国際親善試合。リオパラリンピック3位のオランダ、アジアのライバル、オーストラリアも参加する大舞台は、世界との差を埋める大きなチャンスだ。そして実は、今年から男子と女子選手が一緒にプレーできるようになったことで、藤井選手も実力を発揮できるまたとない機会となったのだ。この大会でも、「正確無比なアウトサイドシュート」を武器に男子選手を圧倒する活躍を見せた。

同じく宮城マックスに所属する車椅子バスケ・男子日本代表の藤井新悟選手と、2012年に結婚。3年後、息子のそら君が誕生、出産後3ヵ月で競技に復帰した。育児をしながらバスケにも邁進する藤井選手、そこに迷いや妥協はない。目指すは世界!そして、2020年東京の大舞台だ。

  • ©NTV
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