ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第55回 ゴールボール 若杉遥

2017年03月04日 放送

ゴールボール日本代表・若杉遥、21歳。最年少の17歳で出場したロンドンパラリンピックで金メダルを獲得。連覇を目指したリオでは5位に終わり、2020東京で再び頂点を目指す。そんな彼女のストロングポイント“間を射抜くコントロール”は、投球フォームに隠されていた!進化し続ける若杉選手の挑戦を追った。

中学校2年の時、突然、線維性骨異形成症を患い視力を失った若杉選手。普通校に通っていた若杉選手は盲学校へ転校し、ゴールボールと出会った。「目が見えなくてもスポーツって出来るんだ!」そんな喜びでゴールボールに取り組んできた。

ゴールボールは、何も見えない状況で音を頼りにボールを転がしゴールを奪いあう、パラスポーツならではの競技だ。視覚障がいの程度によって競技力に差が出ないよう、アイシェード=目隠しをして競技する。
バレーボールと同じ広さのコートにサッカーのようなゴールが置かれ、攻撃・守備を交互に行って得点を競う。重さ1.25キロのボールには鈴が入っており、この鈴の音を頼りに、ボールの方向や速度を読み、弾み方をも予測して攻守を行うのだ。ボールの音がカギになる競技ゆえ、選手たちは動きを読まれないよう、様々なスキルを使う。相手を惑わすために手を叩いたり、素早くポジションチェンジするのも戦術の一つだ。
試合は12分ハーフの前後半。勝敗が決まらなかった場合は3分ハーフの延長戦を行い、そこでも決まらなければPK戦のように1対1のエクストラスローで勝敗を決する。また、マイボールになってから10秒以内に投球しないといけないルールがあり、攻守交代が目まぐるしく行われる。そして、選手たちは僅かな音も聞き逃さず試合を行うため、観客は声を出さずに心の中でエールを送る…というのも特徴のひとつ。
また、ゴールボールのコートには、ライン下にタコ糸が入っており、選手たちはその凹凸を手足で確認して自分のいる場所を把握して動く。「何m先までは何歩で行けるとか、ここに行くためにはこの角度で、この歩数でいく…とかを反復練習して体に覚えこさせて、実際のコートでプレーする」のだいう。

若杉遥選手のストロングポイントは、“間を射抜くコントロール”。一定のフォームから繰り出される若杉選手の真っすぐなボールは、疲労が蓄積した試合終盤になっても力強さと正確なコントロールを失わない。そして、地道な反復練習で身につけた「自分がコートのどこにいるのか」を把握する高い能力とがあって、適切な攻撃判断が出来るのだ。
また、アンダースローの投球時、リリースポイントに力を入れてそれ以外は意図的に力を抜く。フォロースルーを意識したこのフォームは、振り下ろす際の腕のズレを最小限に抑え、最後までスピードが落ちない球を可能にする。
「自分の位置を察知する能力」、「一定の投球フォーム」、「脱力投法」…この3つが重なって、彼女のストロングポイント「間を射抜くコントロール」が生み出されたのだ。

2020年の東京パラリンピックに向けて、強化トレーニングに励む日々が続いている。自国開催で、日本中、世界中にゴールボールを知ってもらいたい、そこでトップに立ちたい…!そんな想いを胸に、挑戦は続く。

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