ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第45回 水泳 山田拓朗②

2016年12月24日 放送

水泳、山田拓朗選手。13歳でアテネパラリンピック初出場してから12年。日本代表のキャプテンに任命された今回のリオデジャネイロ。4度目のパラリンピックで、初めてメダルを手にした。決して順調ではなかったリオでの戦いを振り返るとともに、4年後の東京に向けて挑戦し続ける姿を追った。

生まれつき左ひじから先がない山田選手。3歳で始めた水泳にすぐさま夢中になり、世界を夢見る。そして、日本パラリンピック史上最年少となる13歳でアテネパラリンピックに出場する。これまで、すでに3度のパラリンピックを経験するも、メダルには届かなかった。

彼のストロングポイントは、泳速度―スタート時の飛び込み姿勢やゴール時の伸びなどを除いた、純粋にストロークで泳ぐときの速度=泳速度が抜きんでているのだ。加えて、厳しいトレーニングで作り上げた、水の抵抗に負けない強い体幹。こうしたストロングポイントから生まれる、持続性のあるスピードとバランス良くぶれない泳ぎとで、4度目のパラリンピック、リオではメダルを狙う。

山田選手の得意種目は50m自由形。現在のメダリスト3人は全員25秒台を叩きだしている。対する山田選手の自己ベストは、26秒22。メダルを手にするために、50m25秒台、100m56秒台を目標に掲げて臨んだリオパラ。
100m自由形では順当に決勝まで進む。予選のタイムもよく調子は上向いている。決勝では持ち味の泳速度を上げてトップに食らいつくも後半で失速、8位にとどまってしまった。自己ベストにも及ばない結果に「前半から攻めきれなかったことが、タイムが上がらなかった原因」と自己分析した。しかし、金メダルを狙える50m自由形を翌日に控え、うつむく暇はない。
気合いの入った50m自由形予選では、見事自己ベスト更新の26秒20、2位でフィニッシュ!そして、いよいよ決勝、見据えるのは25秒台だ。決勝はスタートから激しい先頭争い、ほぼ一直線での接戦、誰が勝ってもおかしくない展開…。そして、山田選手、銅メダルを獲得!金メダルとは実に100分の5秒差、銀とは100分の1秒差、タイムは自己ベスト更新の26秒00。惜しくも、目標の25秒台には100分の1秒届かなかったが、見事な結果を残した。
そうしてのぼった表彰台では「初めて出場したアテネパラリンピックを思い出し、今までやってきたことが報われた」と感じたという。
12年分の思いが詰まったメダルを手にしながらも「目標を100%達成したわけではない、次に向けて頑張りたい」と気持をあらたに取り組もうとしているのが、自由形以外の種目の強化。実は、今回のリオではバタフライにも出場、結果は予選落ちだったが、可能性を見いだしている。他種目の強化は水泳の技術自体の強化、向上につながる。一見遠回りながら、得意の自由形をより進化させる挑戦を始めた山田選手。世界の頂点を目指し、4年後の東京に向かってチャレンジは続く。

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