ストロングポイント

女子車いすテニス世界ランキング2位に君臨する上地結衣選手。舞台は東京有明で行われた世界国別選手権。女子ではトップ選手でも難しいとされるバックハンドのトップスピンを、彼女は1年以上もの歳月をかけ練習し続けてきた。今回がその成果を試す絶好のチャンス。日本代表のエースとして絶対に負けられない上地選手の強いプレーに迫った。

女子車いすテニス史上最年少でグランドスラムを達成した上地結衣選手。
現在22歳、若き女王のストロングポイントは「試合をコントロールする力」。ゲームを先の先まで見通し、相手を『打たされた』感覚に陥れ、翻弄するのだ。
身長143センチと小柄な上地選手は、海外トップ選手を相手にすると高さやパワーにおいて圧倒的に不利。しかし、リオで金メダルを獲るにはその不利な状況を覆す新たな武器が必要だ。そうして辿りついた「バックハンドのトップスピン」―この技を体得すべく打ち続けた球数は、半年でなんと2万球以上。
東京有明で行われた車いすテニス世界国別選手権。ここで、上地選手が猛特訓したバックハンドのトップスピンが炸裂した。上地選手の、高く弾む強いトップスピンに相手選手は甘い打ち返しが精一杯となり守りに入ってしまう。バックハンドから繰り出される予測のつかない弾道は相手選手を混乱させ、プレーに隙が生まれる。上地選手はその隙を逃さず攻め、これまで以上に試合をコントロールする成果を見せた。
22歳の夏。彼女が挑む「世界の頂点」リオパラリンピックは、まもなくだ。

日本車いすテニス協会

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