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毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第170回 車いすテニスジャパンオープン

2019年6月2日 放送

今年4月。 車いすテニスの世界トッププレイヤーが福岡に集結。
アジア最高峰の大会で、激戦が繰り広げられた。
中でも注目されたのが…日本のパラスポーツ界をけん引するこの男、世界ランキング1位 国枝慎吾。

国枝「ホームで優勝する姿をお客さんに見せたい」

目指すは頂点のみ。そしてその先には2020東京パラリンピック。
試練を乗り越え、完全復活を遂げた世界の国枝慎吾。手に汗握るライバルとの激闘に迫る。

去年10月。
車いすテニスの国枝慎吾選手と上地結衣選手が、アジアパラ大会で優勝。全種目を通じて、最初に東京パラリンピックへの出場が内定した。

健常者のテニスと同じコートで行われる、車いすテニス。
基本的なルールは一緒だが、一番の特徴はツーバウンドまでの返球が許されること。
また開催される大会も健常者と同じく、4大大会がグランドスラムと呼ばれ選手たち憧れの舞台となっている。
そのグランドスラムに次ぐ、アジア最高峰の国際大会「ジャパンオープン」が今年4月、福岡県で開催された。

来年の東京パラリンピックを占う重要な大会とあって、男子は世界ランキング トップテンのうち9選手が出場。
その中で、堂々の1位に君臨するのが…日本の国枝慎吾選手。
これまで、パラリンピックで2度の金メダル。
しかし、リオでは大会直前に右ひじを手術。その影響もあり、準々決勝敗退。引退もささやかれた。
それでも、完全休養を経て2017年に復帰を果たすと、翌年にはグランドスラムで2度の優勝。
絶対王者が帰ってきた。

ただ・・・世界はそう甘くはない。
今年1月の全豪オープンでは、決勝を前に敗退…。
いま、男子車いすテニス界は…かつてない群雄割拠の時代に。
2007年から2015年にかけ、グランドスラムを制したのは国枝選手を含め、25大会でわずか3人。
一方、2016年以降は12大会で6人と勢力図が激変。
特に若手の台頭が目立っている。
この状況に、選手たちは…

リード「最近の試合はとても面白い激しい戦いの中でしか勝利を掴めない。とてもレベルが高い環境になっている」

ウデ 「レベルが上がるのは良いこと。選手たちのハイレベルな戦いが観ているファンも車いすテニス界も盛り上げる」

国枝「間違いなく車いすテニス全体のレベルは上がっているので、みんなにチャンスがあると思いますね。トップ10ぐらいまでは、みんな(パラリンピックでの)メダルのチャンスがある。」

もはや…絶対王者など存在しない。
誰よりも、それは国枝選手自身が感じていた。

そして迎えた、ジャパン・オープン。
国枝選手は順調に勝ち上がり…迎えた準々決勝。
相手はリオパラリンピック、男子シングルスで金メダルに輝いたイギリスのリード選手。苦戦が予想されるなか、国枝選手が序盤から圧倒的な力の差を見せつける。最後まで、金メダリストを全く寄せ付けず…完勝。

国枝「今日はもう、ほぼ100点を付けて良いくらいのレベルだった 隙なく最初から最後までいけた なかなかこういうゲームは珍しい」

続く準決勝は、オランダのエバーリンク選手。
世界ランキングは11位だが今大会、格上を倒して勝ち上がってきた。
第1セット、ゲームカウント6対5で迎えた12ゲーム。
勝負どころで強さを発揮した国枝選手。みごと第1セットを取る。
続く第2セットはサーブで相手を崩し、6対0で圧倒。決勝へと駒を進めた。頂点まであと1つ。しかし、そこに立ちはだかる相手は長年、国枝選手とトップの座を争ってきた永遠のライバル、世界ランキング3位のウデ選手。
48歳とは思えない、力強いテニスはいまだ健在。その強さを支えるのが1500万円とも言われる“特注の車いす”。そこから放たれるサーブは球速160キロを超えることも。
国枝選手とはロンドンパラリンピック決勝をはじめ、これまで幾度となく対戦。互いの実力を認め合う仲。

ウデ「2020年東京パラの前で国枝選手と対戦することを楽しみにしています。
彼は世界でも有名な選手です。戦い方も、精神力もすごさを感じています。彼を尊敬します。」

国枝「ウデ選手に対する思いっていうのは強くて、彼がいたからこそ今の自分があると本当に心から思っているので心からこんなに認め合える選手がいたことに本当に感謝していますね。」

車いすテニス ジャパンオープン。
国枝選手と、ライバル・ウデ選手の決勝戦。

第1セット。
国枝選手はウデ選手の強烈なサーブに苦しめられる。
そして…ゲームカウント3対5のビハインドで迎えた第9ゲーム。
ここで流れを掴んだ国枝選手、第1セットを6対6のタイブレイクに持ち込む。
7点先取のタイブレイクでは国枝選手が相手を左右に大きく動かしながら試合をコントロール。ポイントを重ねる。
白熱のライバル対決となった国枝選手とウデ選手のジャパンオープン決勝戦。
第2セットは雨の中行われるも、両者、ペースを崩すことなく…ゲームカウント5対5。
今大会、優勝というこれ以上ない結果で、自らの復活をアピールした国枝選手。

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