ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第162回 ボッチャ 日本選手権 江崎駿

2019年4月7日 放送

ボッチャ 江崎駿。
まだ18歳。あどけなさが残る江崎の武器は、その若さとはかけ離れたものだった。
「臨機応変なボール戦略」
床の上のカーリングともいわれるボッチャ。互いの戦略が絡み合う心理戦の中、勝敗を大きく分けるのが…「ボールの選択」。江崎は二手先、三手先を読みながら相手より1ポイントでも勝るため、クレバーなボール戦略を駆使する。国内最高峰の大会、ボッチャ選手権で初優勝!ついに日本一の座を手に入れた。
江崎「勝ちというよりも、どのボールをどこに置こうということをまず考えてやってますね」
世界が注目する江崎のボール戦略。その知られざる秘密が明かされる。

20回目を迎えた日本ボッチャ選手権大会。
参加人数は全クラス合わせて72名。日本最強を決める国内最高峰の大会。
ボッチャといえば前回のリオパラリンピック。みごと銀メダルを獲得し、火の玉ジャパンの活躍に日本中が盛り上がった。

ボッチャは、的となる白い球・ジャックボールにいかに近づけられるかを競う競技。床の上のカーリングともいわれている。
競技が行なわれるコートは縦12・5m、横6mの長方形。
まず、先攻の選手がジャックボールを投げ入れる。
先攻の赤、後攻の青が持ち球を一つずつ投げたら、ジャックボールから遠い方が、常にボールを投げる。

個人戦では1エンドにつき、持ち玉は6つずつ。12球すべて投げ終えた時点で得点を計算する。
これを第4エンドまで繰り返し、合計点が多いほうが勝利。

障がいの種類や程度により、4つのクラスに分けられるボッチャ。
中でも「BC4クラス」に、いま世界から注目を浴びる選手がいる。
17歳という若さで日本チャンピオンとなった、江崎駿選手。
全クラスの中で、今大会最も若いチャンピオンが誕生。
江崎選手は幼少期、「筋ジストロフィー」という筋肉に力が入りにくい難病を患った。
その後、12歳でボッチャに出会い、競技の奥深さにのめり込んでいく。
そんな姿を目にした父・泰秀さん。
なんとボッチャのクラブチームを立ち上げ、自らは監督として親子二人三脚で腕を磨いている。
筋力の弱い江崎選手が試合で勝つため、父と2人で磨いてきたストロングポイントがあった。
それは…ボール。

江崎「だいたい皆さん、2・3種類あるのが普通ですね。違う種類を混ぜる選手もいますし、同じ種類で硬さを分ける選手もいます」

ボッチャでは大きさや重さ、柔らかさの規定をクリアしていれば、ボールの表面や中身の材質を自由にカスタマイズできる「マイボール制」が採用されている。では…江崎選手のボール戦略とは、どういうものなのか?
めまぐるしく変わる試合状況に合わせ、最適なボールを選び抜き、勝利を手にする。
これこそが…江崎選手のストロングポイント。

江崎「(ボールの)特性を生かした戦術をしないと勝てないですね」

優勝を果たした日本選手権でも卓越したボール戦略を発揮した江崎選手。
中でも、ポイントとなった試合が準決勝。

江崎「準決勝にいったときは『まじかよ』と思いました。ここで古満さんかという」

準決勝で顔を合わせた…古満選手。
高精度のアプローチを得意とし、前回大会では日本チャンピオンに輝いた。
実はその決勝で古満選手に敗れたのが江崎選手だった。

江崎「ずっと2位というか、選考会でも2番目でしたし、全日本でも2番目だったので、1個置いてかれているという感じでしたね。絶対ここは勝つ」

江崎選手にとって、古満選手の存在は超えなければならない大きな壁だったが、激戦の末、みごと前回王者にリベンジを果たした。

決勝戦は16歳の新星・内田選手との対決。
序盤から冷静なボール戦略をみせた江崎選手が貫禄勝ち。
初優勝を果たし、目標だった日本チャンピオンに輝いた。
その優勝から4ヶ月。いま江崎選手が見据えるのは…

江崎「1位だという自信を持って、国際試合、海外の選手に挑んでいきたい」

巧みなボール戦略を磨き上げ、目指すは…2020年の東京。
江崎選手の夢はまだ始まったばかり。

  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
BS日テレ