ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第149回 新春特別企画 オリパラアスリート対談 バスケットボール編

2019年1月6日 放送

いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。
そこで今回のストロングポイントは新春スペシャル企画!番組初となるオリパラアスリート対談!
まずは、車いすバスケットボール、古澤拓也選手。
巧みなボールハンドリングと入りだしたら止まらない3ポイントシュートを武器に今や代表に欠かせない注目選手。
そしてバスケットボール日本代表、屈指のスター、田中大貴選手。
アウトサイドでも、インサイドでも得点を狙えるシュート力に加え、時にはポイントガードまでこなすオールラウンダー。
2020年、初めての夢舞台へ2人がバスケットボール愛を熱く語る。
2020年東京を目指す日本代表のキープレーヤー2人が、バスケからプライベートまで語りつくします!

2018年12月。
府中市の体育館にやってきたのは、車いすバスケットボール日本代表、古澤拓也選手とバスケットボール日本代表、田中大貴選手。
日本のバスケットボール界を背負う2人がいよいよ緊張の初対面、どんな対談になるのか…
少し緊張気味のお二人にまずは番組ナビゲーターの上田晋也から、こんなメッセージ。

上田「あけましておめでとうございます。“ストロングポイント”くりぃむしちゅー上田晋也でございます。今年一発目を飾る新春特別対談ということでございまして、番組恒例“上田のQ”、質問をご用意させていただきました。後ほど、お2人にぶつけさせていただきたいと思いますけれども、まだちょっとお2人固いだろうなと思うんですよ。ですから、まずアイドリングトークといたしまして、お互いの第一印象なんかをちょっと語っていただけますかね。ポイントは、第一印象であまりどぎついことを言わない、マイナスのことを言わない。より固くなっちゃう、仲良くなれない。そこを注意してください」

田中「先程、プレーしている映像を見させてもらったんですけれどもすごく外からのシュートもうまいですし、自分が一番思ったのが、他の人よりセンスあふれる動きをするといいますか、レイアップシュートとかを見たりしても、結構右左どちらの手でもうまくフィニッシュしていましたし、パスに関しても1つ1つがプレーに華があるなというか、そういうタイプの選手なんだなというふうな印象をうけました。普段より、プレーしている時の方が大きく見えたというか、実際に会ってみて意外と小さいんだなというところにびっくりしています」

古澤「普段、Bリーグが好きで良く見ているんですけど、やっぱり生で見てもかっこいいなって思いました。田中選手はディフェンスからすごい、なんだろう、フィジカルがすごく強いっていう風に僕は感じていてそこからシュートも全部、スキルが1つ1つすごく綺麗で丁寧で、力強さをいつも感じています」

田中「自分も1つディフェンスというのは、自分の持ち味だと思っているので、自分のプレーを見てそういうふうに思ってくれているというのはすごく嬉しいことだなと思います」

古澤拓也選手、22歳。
U‐23日本代表のキャプテンを兼任する車いすバスケットボール界のホープ。田中選手も絶賛した華のあるプレー、背中を通すドリブルなど左右で差のないボールハンドリングが最大の武器。さらに入りだしたら止まらない3Pシュートは日本代表に欠かせない得点源です。

田中大貴選手、27歳。
Bリーグ屈指のスター選手。果敢にインサイドに切り込むレイアップに、アウトサイドからの3Pシュート。時には司令塔もこなすオールラウンダー。

そんな2人が影響を受けた選手は、いったい誰なのか?

田中「小学校とか、中学校とかそういう小さい時は、自分の同じ県内の周りのうまい選手だったりとか、そういう人たちを見ていつも自分も真似したり、そういうふうなところから影響は受けていましたし、どんどんどんどん、高校、大学とステップを上がっていくにつれて、自分はNBA選手、もう引退しているんですけれども、コービー・ブライアントという選手をすごく好きで、よく彼のプレーなんかを見ていたなっていうのは覚えていますね」

古澤「僕も田中選手と同じで、初めは自分のチームの先輩であったり、代表の先輩たちの動きをみて、かっこいいプレイを真似したいっていうことをずっとやっていて、今は車いすバスケットボールだけじゃなくてBリーグであったり、NBAであったりいろいろな選手の、今は、シュートをよく見て勉強をしています。ステファン・カリー選手であったり、カイル・コーバー選手、その選手たちは結構YOUTUBEで上がっているのを見ています」

では、日本人選手では?

田中「自分より下の年代の渡辺選手だったり、八村選手だったりとか、世界を相手にどんどん活躍している選手が出てきている状況でそういう若い選手に刺激というか、まだまだ自分も負けたくないなという風な思いというか、そういうところから影響をうけていますね。刺激をもらっています」

古澤「代表の中で、藤本選手であったり香西選手、あと藤澤選手というシュートのうまい選手たちが多い中で、選手たちにまねしたいっていうよりも、今は早く追い抜きたいっていう気持ちですごくいっぱいで、だからこそ、その選手たちのプレイをよく見ています」

たゆまぬ向上心を原動力に磨き上げたプレーで日本のバスケ界を盛り上げる2人。そんな2人に、上田晋也からこんな質問が。

上田「ここで"上田のQ"でございます。お二方のウィークポイントを教えていただけますか?バスケ以外でも結構です。プライベートな面でも結構ですので、ウィークポイント。僕、ウィークポイントとか短所とかコンプレックスを聞くのが大好きなんですよ」

田中「自分はバスケット以外の事なんですけれども、結構綺麗好きというか、いつも身の周りは自分が思っているような整頓をされている状態じゃないと、結構嫌なタイプで、自分のエリアというかそこに人が入ってこられたり、自分のものを勝手にいろいろやられたするのが嫌でそこがウィークポイントかなと思います」

古澤「僕のウィークポイントは、すごく緊張しやすいところで試合前とか、大事な試合程、前の日がどきどきして寝られなくなってしまいます」

試合では緊張からシュート感覚を掴むのに時間がかかることもあるという古澤選手、田中選手に聞きたいことがありました。

古澤「シュートタッチが悪い時、またはシュートが上手くいかないときはどうやって立て直しますか?試合の時に」

田中「自分も試合によってはなかなか、シュートの感覚っていうのが良くなくて、連続で何回もミスしたりっていうふうな状況があって、自分も若い時はそのまま試合を通してずっと、自分でそれに落ち込んじゃって、なかなか挽回できずに終わってしまうというケースがすごくあったんですけれど、『いつか入るだろ』というふうに逆に開き直って。それよりは、入るか入らないかを気にするよりかは、自分のシュートを打とうというか、そこの原点に戻るというか、一番大切なのは入らないからといって打つのをやめるのではなくて、本当に入るまでなんなら打ってやろうとそういうふうな気持ちでいることが大事なのかなと思います」

田中選手にも気になることがあったようで…

田中「さっき映像見せてもらったんですけれども、結構自分の思い通りに器用な動きが出来たりだとか、相手にぶつかられたりしてもバランス崩しながらシュートを決められたりだとか、そうところが本当にすごいなって。さっき映像見て思いましたし、何か特別気を付けているとか、自分が工夫していることがあったら聞きたいですね。是非」

古澤「僕が良く気を付けているのは、自分の場合身長も高くなくて、体重も軽い方なんですけれども、なので接触をうけないようにするんですけれども、自分の意図した時に接触するっていうそういう所をすごく気にしています。レイアップのシュートの時とか、先に接触されてしまうと体勢を崩してしまったり、車いすって当たっただけで曲がってしまうんですけれども、自分が接触がそろそろかなって思う時に先に当てて、先にアドバンテージを取るじゃないですけれども、そういうふうにすることによって体の軸が保たれるっていう感覚です」

田中「確かにシュートに行くときにリングを全然見ていなくて、横目でずっと相手を見ていたなというのを映像で見て、さっき思い出しました。だから、そういうことなのかなという風に思います」

古澤選手は、現在22歳。
試合では決して見せない素顔を知るべく…上田さんから、こんな質問。

上田「ここでまたもや“上田のQ”でございます。自分を作っている3大要素を教えていただけますかね。例えば、バスケットボールと○○と○○という形で結構でございます。ちなみに私はそうですね、“お笑い”と“家族”と“視聴者の皆様の笑顔”でしょうか。上田晋也です」

古澤「僕の三大要素はバスケットボールと甘い食べ物と、あとゲームです。甘い食べ物がすごく好きで、試合前とかは食べに行けないんですけど、大会終わった後とかに甘い物を食べに行く“ご褒美システム”ですかね」

田中「甘いものの中でも色々あるじゃないですか、何が好きなんですか?」

古澤「特に好きなのが抹茶のスイーツなんですよ。基本抹茶系のお店がすごく好きで、最近は抹茶モンブランを食べたんですけど、是非今度時間があったら食べてみてください」

田中「多いですよね。ただ、自分抹茶が苦手なんですよね。すいません。けど、多いですよね、抹茶好きな人」

では、田中選手の三大要素は?

田中「自分もバスケットボールと、そして、そうですね、やっぱり、自分の親だったりとか、今まで指導してくださった先生方とか、周りの、言ってしまえばお世話になった方というか、後はかぶったところあるんですけど、食べ物。食べ物、自分 結構いろんな食べ物が好きで、人気があるお店だったりとか、自分が気になってたお店だったりとか、周りから情報聞いたお店だったりとか、自分でプライベートで行ったりするのが結構好きなので、それが自分の1つリフレッシュ、大事にしている部分かなと思ってて」

古澤「食べ物屋さん、僕がよく行っているお店、田中選手も行っているって」

田中「どこですか?」

古澤「新井屋さん」

田中「あー、はいはい。とても良いお店ですよね?」

古澤「はい、すごく好きです」

2人がよく訪れるというのが東京・三鷹市にあるこちらのお店。
店内には、田中選手の所属チーム、アルバルク東京のユニフォームが選手のサイン入りで飾られている。2人が訪れると必ず頼むのが、チャンジャが入った半熟卵ご飯。スポーツマンらしく、高タンパク低カロリーの鶏ささみを使ったメニューも定番なんだとか。
お店での2人は、どんな感じなのでしょうか?店長の田島さんに聞いてみると。

田島「田中大貴選手に関してはルーキー時代からすごく礼儀正しくて、本当にお店のことを考えてくださる選手で、周りにすごく配慮できる選手だと本当にルーキーのころから思っていました。古澤くんに関しては、プレーしているときはああいう険しい表情をしていますけど、オフの時は本当に若い子という感じの、元気ある子と言うイメージの選手ですね。古澤選手、田中大貴選手、今特にすごくハードなシーズンを迎えているとは思うのですけど、本当に体を壊さないためにも、体を休める ゆっくりとした時間を取ってもらって、また時間が、タイミングがあれば、またいつでも来てください」

上田「さあ、またもやここで“上田のQ”でございます。もちろんポイントを取った時とか良いプレーをした時というのはテンションが上がるかと思いますけれども、それ以外で2018年に一番テンションが上がった時はどんな時だったでしょうか?理由も含めて教えてください」

田中「テンション上がったのありますか?2018年」

古澤「今年の8月に世界選手権があったんですけど、その時にドイツのハンブルクに行って、ニベアクリームってあるじゃないですか。ニベアのハンブルク店に行った時に、普通青い缶なんですけど、ニベアって書いてあるのが普通なんですけど、そのお店だと、写真を撮ると自分たちのオリジナル缶ができる。そういうものが売っていて、先輩たちと行ったんですけど、それが一番今年嬉しかったかな〜って。それくらいしかないんですけど」

田中「ニベアクリームは常に愛用しているってことですね」

古澤「はい!車いすバスケットボールって、ブレーキを全部手でやるんですけど、そうすると手が火傷状態になって、そういう部分のケアで結構使っています。逆に田中選手は今年一番上がったのは?」

田中「自分は、今年誕生日の時に、ちょうど代表合宿をやっていて、代表のメンバーが練習後にお祝いをしてくれたっていうのがすごく嬉しかったですし、すごく思い出に残る誕生日だったかなと思います」

続いて、2人が語る2020年への熱き思いを色紙に書いてもらうと。
田中選手が選んだ言葉は『集大成』。
古澤選手は『絶対にメダルを!』
そこに込められた思いとは?

田中「ちょうど自分が迎える時って29・30歳くらいの年齢で、キャリアの中でもいろいろな経験を積んで、体としても一番いい時期なのかなというふうなことがすぐ頭に浮かんで、東京オリンピックが決まってから、もう東京オリンピックで1番良いパフォーマンスが出来るようにというふうなことを思って今ずっと過ごしているので、終わってからも引退するわけではないんですけれども、それでも自分のキャリアの中で一番ベストなパフォーマンスを2020の東京オリンピックで集大成として発揮出来たらいいなってことを思っています」

古澤「僕は、今の12人、藤本選手だったり、香西選手だったり、豊島選手っていうベテランの方が居るんですけれども、その選手たちがもうその大会で引退するっていうふうに言っているんですけれども、その選手たちと僕は絶対にメダルを取りたいと思っていて、絶対にという言葉もあまり好きではないんですけれども、その中でも自分に覚悟を持たせたいので、絶対にメダルをっていう言葉にしました」

田中「同じバスケットボールやっていますし、パラの方でバスケットが活躍しているっていうのは、自分たちも負けないようにという刺激をもらっていますし、なので好きなバスケットをお互いやっている身として、これからも同じバスケットを盛り上げていけるように、その中でも、誰だってなった時に自分たち2人の名前がこれからどんどん出ていくように、2人で頑張っていきましょう」

古澤「ありがとうございます。僕もBリーグのファンとして、またバスケットが好きな人間として、同じ日の丸を背負う人として、活躍してもらって田中選手が納得をするプレイをまたかっこいいって思い続けられるプレイをすごく期待しています」

最後に田中選手との対談を終え、古澤選手は…

古澤「すごく緊張しました、久しぶりに。すごく勉強になる部分が多かったし、こういう機会じゃないと聞けないことを聞けたというのは、すごく自分にとってプラスになると感じました。バスケットボールが人気のスポーツになるために、僕たち車いすバスケットボールもBリーグも一緒に盛り上げていけたらなと感じました」

日本のバスケットボール界を牽引する若き2人。
その挑戦は、2020年東京の舞台へと続く。

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