ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第138回 陸上 短距離 佐々木真菜

2018年10月21日 放送

陸上・短距離 視覚障がい、佐々木真菜。
レースに出場すれば新記録を連発。現在、世界ランキング5位
彼女には誰にも負けない武器がある。

『ブレのないリズミカルな腕の振り』

力強いスタートから、瞬時にトップスピードへと到達。そのスピードを作りだす腕の振りこそが彼女のストロングポイント。
2015年から、アジア記録8回・日本記録を11回も樹立。
2020年の東京でメダル獲得が有望視されている、超期待の新星。

佐々木選手は福島県生まれ。
病気のため、小さい頃から視力が弱かったという。
陸上と出会ったのは小学5年生の時。中学で陸上部に入り、専門は800mと1500m。
しかし、ある出来事をきっかけに環境は一変する。

佐々木 「東日本大震災が中学1年生の終わり頃にあったので、体育館の中にあるランニングマシンを使っての練習がほとんどでした」

そんな状況でもトレーニングを欠かさず、ジャパンパラ陸上、さらには、アジアユースパラ選手権で日本記録を樹立。
新記録を連発する佐々木選手だったが、2014年に突然400mに転向。

佐々木 「私の(視覚)障がいクラスのT13クラスでは、パラリンピックでは、100mと400mしか種目がないので、今までやってきた800mと1500mを捨てて、400mをすることを決めました。」

すると転向の翌年、いきなり日本記録をマーク。
400mでも実力を証明した彼女は東邦銀行陸上競技部に入部、すると…記録はグングン伸びていき、400mではアジア記録5回・日本記録を7回も更新する活躍ぶり。
視覚障がいの陸上は障がいの程度に応じて、3つのクラスに分けられている。
アイマスクをつけたり、伴走者と一緒に走るクラスがある中、佐々木選手のT13クラスは健常者と全く同じルール、一人で走る。

佐々木選手が練習を行うのは、地元・福島大学。
所属する東邦銀行陸上競技部は、今年、全日本実業団陸上競技選手権大会で2年連続7回目の女子総合優勝を果たした強豪。
そんなレベルの高い健常者の選手とともに3年間練習を積んだ佐々木選手は2015年から、アジア記録8回・日本記録を11回も樹立。

佐々木選手のストロングポイントは「ブレのないリズミカルな腕の振り」。
入部当時の腕の振りを見てみると…腕がきちんと振れていないため体がブレ、前に進むエネルギーが分散していた。
そこで、腕の振りを改善。改善後はブレのないリズミカルな腕の振りによって、体がブレず効率よく走れるようになった。以前と比べると、肘の力みが取れ、推進力が得られるように。
さらに腕の高さも若干下がり、リズミカルに腕を振れるようになった。
彼女のベストタイムは今期マークした59秒02。しかし、リオパラリンピックの金メダリストのタイムは55秒78…まだ4秒の差が。

佐々木 「まだまだ世界のレベルは高いので、そこをどうやって縮めていけるかが鍵だと思うので、今の私の課題としては、昨年も課題としていたリズミカルな腕の振りだったり、あとはスピード強化とスピード持久力をレベルを高くしていかないと世界とは戦えないので」

今年最後の国内大会、日本パラ陸上競技選手権大会。
大会初日200m決勝。
佐々木選手が持つアジア記録・日本記録は26秒28。
強化したスピードでぐんぐん加速する佐々木選手。
タイムは26秒37。
残念ながら、あと一歩、記録の更新はならず。

佐々木 「最初の加速の部分としては、とても良い感じで走れていたのですが、後半のところで少し失速してしまったのかなというところが自分の反省すべき点だと思っています」

そして翌日、400m決勝。
風速は強めの秒速3m、あまりいい条件ではないが…
自己ベストの59秒02を更新し、世界との差を縮められたのか?
スタートを決め、持ち前のリズミカルな腕の振りで好調に飛ばす佐々木選手。
レースの半分200mの通過タイムは…なんと25秒台。
前日の200m決勝より早いタイム。
タイムは59秒07。
見事アジア記録更新。
しかし、自己ベストの日本記録には届かず。

佐々木 「スタートからの加速は良く、自分の課題としていたことはできていて、最後の100mの所でコーナーを抜けるとこから少し風が吹いてきて、それで少し後傾姿勢になってしまって、その分ロスが出ちゃったのかなと。それで58秒台に届かなかったんじゃないかなと思っています」

最後に、2年後に迫った東京パラリンピックでの目標は?

佐々木 「56秒台を出して金メダルを取るということが目標です」

自慢の武器を最強の武器に、メダル獲得を目指し、佐々木選手は走り続ける。

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