ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第131回 ブラインドサッカー 川村怜&黒田智成

2018年08月26日 放送

視覚障がい者がプレーするブラインドサッカー。
クラブチームの日本一を決める、決勝。
日本代表キャプテンとして、ブラインドサッカーの未来を担う
川村怜。代表では最多得点を誇るストライカー、黒田智成。
日本の両エースが所属するクラブチームで激突。
互いに敵となり、クラブ日本一を狙う二人。
譲れない勝利の行方を追った―――

視覚に障がいのある選手がプレーするブラインドサッカー。
障がいの差をなくし、公平を期すため選手は目の上にアイパッチを貼り、さらにアイマスクを着用することが義務付けられている。5人制でフィールドプレーヤーは4人。ゴールキーパーのみ、目の見える選手が務める。ピッチはフットサルと同じ広さ。サイドにはフェンスがあり、ラインを割ることはない。ボールには音が鳴る特別な仕掛けが。選手たちはこの音を頼りにプレー。さらに、危険な衝突を避けるため、「ボイ」と声をかけなければファウルになる。キーパーはもちろん、ピッチの外からは監督やコーチも声で選手たちに指示を出す。

7月8日。日曜日。
国内のクラブチームが頂点を争うブラインドサッカー日本選手権の決勝が行われた。
川村選手がキャプテンとして率いるのは、過去最多の優勝を誇る『アヴァンツァーレつくば』。黒田選手を擁する『たまハッサーズ』は去年の優勝チーム。連覇を狙っている。
日本代表の二大エースとして活躍する二人。
現在29歳の川村選手。代表デビューは5年前。サッカー大国ブラジルとの親善試合で初めて日本代表のピッチへ。
そして、王者ブラジルを相手に代表初ゴール。
そんな彼のストロングポイントは――
『戦略的なドリブルシュート』
その極意は、キーパーとの駆け引き。
川村「キーパーとの駆け引きでは、キーパーとのタイミングをずらして振りを小さく、トーキックでコースをしっかり狙ってシュートを打つ練習を継続しているので」
シュートで多く使われるインステップキックは強く蹴れるのでボールに威力はあるが、振りかぶる動きが大きいのが難点。キーパーにタイミングが読まれてしまうことも。対するトーキック。振りかぶりが小さいため、キーパーに構える隙を与えづらい。

そして、日本を代表するもう一人のエース、黒田智成選手。歴代最多得点を誇る彼も強豪ブラジルからゴールを奪ったストライカー。
そのストロングポイントは――
『空間認知力を生かしたドリブル』
空間認知力とは、何がどこにあるか位置と距離を瞬時に把握する能力のこと。
その空間認知力が生む、高速ドリブルが黒田選手の強み。
複雑に飛び交う声と足音を聞き分け、ディフェンスの動きを把握。

そんな日本が誇る二人のエースが、互いに敵となって激突。
日本一を争う決戦が始まった。試合は20分ハーフ。
互いに攻めあう立ち上がり。
アヴァンツァーレつくばのエース川村がカウンターで攻め上がり、1点先制。
黒田選手も持ち前のドリブルで攻めるが、執拗なディフェンスに阻まれ、思うようなプレーができない。
そして―――前半は1対0で終了。
迎えた後半。
立ち上がりは黒田選手のサイドを変えるロングパスから始まった。
川村選手と黒田選手、背番号は同じ5番。
ディフェンスの固いブロックを崩せない黒田選手。起死回生をかけ、秘策のプレーに出る。
ボールを奪った黒田。持ち前の高速ドリブルでゴールへ。しかし行く手には川村が立ちはだかる。そこで、相手の頭上を飛び越えさせる大技・シャペウ。見事なスーパープレーからシュート。空間認知力に優れた黒田選手ならではの離れ業だが、ゴールは奪えず。
そして後半14分。
フェンス際のこぼれ球を川村選手が取り、ゴール。アヴァンツァーレつくばが貴重な追加点で2対0。
さらに、後半16分には、『アヴァンツァーレつくば』の山川聖立選手がゴールを決め、3対0に。『たまハッサーズ』を突き放す。
なんとか1点を返したい、去年の優勝チーム『たまハッサーズ』。しかし、黒田選手は執拗なディフェンスにシュートを打つことさえ儘ならない。
ここで試合終了。
『アヴァンツァーレつくば』が3対0で『たまハッサーズ』を破り、2年ぶり9度目の日本一に輝いた。
大会のMVPに選ばれたのは決勝で先制点を決めた優勝チームのエース、川村怜選手。

川村「いやー久しぶりに日本選手権の優勝を味わうことができて、最高の気分です。本当に日々の継続を、地道な継続がいま成果として表現できているのかなと思ってますけど、まだまだやはり世界のトップとは、差を感じているので、もっと精度を高めていきたいなと思ってます」

準優勝の『たまハッサーズ』。黒田選手もやりきった表情。
黒田「どの試合でも攻撃していくポイントはマークされるので、そのなかでいかに点を取るかっていうのが大事になるかな。今日もゴール前でフリーでシュート打てる場面があって、それを3つくらい外しちゃったので、やっぱり点を取れないとそこで決め切れないと勝てないなと思いました」

日本選手権の激闘から一週間後の、代表合宿。
クラブチームでは敵として戦った二人が日本代表ではチームメイト。
そんな二人がこの夏赴く南米遠征、対戦するのはブラジルとアルゼンチン。
世界ランキング1位と2位のまさにツートップ。
もっと高い次元へ。
日本のブラインドサッカーの未来を拓くため、二人のエースは世界と戦う。
互いの良さを併せ、力を倍にして。

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