ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第128回 車いすテニス 眞田卓

2018年08月05日 放送

車いすテニス 眞田卓。世界ランクは8位。レジェンド、国枝慎吾を追う日本男子期待の星。東京パラリンピックでのメダル獲得を目指す彼には世界に誇る武器がある。

『相手を圧倒する パワーストローク』

力強いストロークで相手の攻撃を封じゲームを支配する。そのスピードは世界トップクラス。今年5月、ジャパンオープンでライバル国枝との対決。さらに、オランダで行なわれた世界選手権ではリオの金メダリスト相手に改心のパワーストロークが炸裂。
日本に11年ぶりの栄冠をもたらした眞田卓、33歳。その戦いの軌跡を追った。

眞田選手のストロングポイントといえば…
『相手を圧倒するパワーストローク』。

身長166センチ。
トップ選手の中では小柄な眞田選手のどこからパワーストロークが生み出されるのか?
その秘密を探るべく、プロ野球の投球分析にも使われている最新鋭の機器「トラックマン」で測定。
車いすテニスではトップ選手でも130キロ出れば速いと言われているが…
眞田選手は151.5キロ。
パワーストロークの秘密は独自のトレーニングにあった。
眞田「筋力を鍛えるというトレーニングよりかはその筋力を上手く使うトレーニング。運動連鎖で強い安定したボールを打つ」
眞田選手のパワーストロークの秘密…それが「運動連鎖」。
強いショットを打つためには、腕だけでなく全身の力をラケットに伝えることが必要。眞田選手は下半身から順に腰、腹部、胸、肩、腕、そしてラケットと、力を大きくしながら回転していく。
この無駄のない、効率の良い運動連鎖が強烈なショットを生んでいる。

今年で34回目を迎えたジャパンオープン。出場選手には世界ランキング1位のヒューイット選手や大会連覇を目指すリード選手、そして日本のエース・国枝選手も。
現在世界ランク8位の眞田選手はそんな世界のトップ選手達に挑む。
ベスト8の相手は…日本が世界に誇るエース・国枝選手。
怪我の影響もありリオではシングルスのメダルを逃したが…1年程前に痛みが消え復調。この大会、3年ぶりの優勝を狙っている。
実は眞田選手と国枝選手、特別な関係。
バイクの運転中に事故に遭い、右ひざから下を切断した眞田選手。20歳の時、リハビリを兼ねて車いすテニスをはじめた。
当時、絶対王者として世界を席巻していたのが国枝選手だった。
同じように障がいがありながら、世界で戦う姿に大きな刺激を受けた。世界の頂点を目指し猛練習を重ねた眞田選手は世界ランク8位のトップ選手へと成長。今ではお互いがライバルとして認める存在。
眞田「ここでタイトルを獲ることによって、ベスト8という世界ランキングからその上を狙った世界ランキング7位以上に入る可能性が高い重要な大会」
車いすテニスでは世界ランキング7位以上に入る事で4大大会に無条件で出場できる。8位の眞田選手はもう1つランクが上げれば、より高いレベルの戦いができるということ。

完全復活の国枝選手か、それともパワーストロークの眞田選手か?
ライバル同士の真剣勝負が始まった。
ゲームカウント2対2で迎えた第5ゲーム。国枝選手が抜群のチェアワークでペースを握る。
ゲームカウント2対4、リードされた眞田選手。終わってみれば、1セットも奪えず完敗。世界ランクを上げることは叶わなかった。
眞田「今日得られたモノっていうのは次につながるものになったんじゃないかと思います。パワーショットというものをさらに磨き上げていきたいと思ってます。」

車いすテニス世界国別選手権。
この大会は、シングルス2戦、ダブルス1戦で争う国対抗の団体戦。
先に2勝した方が勝利。
日本チームは予選から4連勝で決勝へと進出。相手は強豪イギリス。
日本男子は11年ぶりの優勝を狙う。
大事な初戦を託されたのは眞田選手。
対戦相手は正確なコントロールショットが武器のゴードン・リード選手。
リオパラリンピックではシングルスで金メダル。世代交代の象徴ともいわれる若手選手。
第1ゲーム。リード選手がシャープなチェアワークから絶妙なショット。勢いに押された眞田選手が第1セットを奪われる。
続く第2セット。リード選手のコントロールショットが冴える。第2セットも3対1。
追う展開の眞田選手。
大事な場面で眞田選手のパワーストロークが炸裂。
ゲームカウント3対3に追いついた眞田選手は強気に前へ出るとパワーストロークでリード選手を圧倒。
そして眞田選手のセットポイント。逆転で第2セットを取り返した。
ファイナルセット。見事なクロス、パワーストロークが決まり逆転。リオの金メダリストを撃破。
これで勢いづいた日本、2番手の国枝選手も自慢のチェアワークで世界ランク1位のヒューイット選手に勝利。日本チーム11年ぶりの快挙。

眞田「東京で本当に絶対メダルが欲しいと思っていて、自分もみんなも喜べる結果にしたい」

  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
BS日テレ