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放送内容

第122回 車いすバスケットボール日本代表 前編

2018年06月24日 放送

6月に開催された車いすバスケットボールの国際大会。
三菱電機ワールドチャレンジカップ2018。
3度のパラリンピック制覇を誇るカナダ、世界選手権2連覇中のオーストラリア、去年ヨーロッパ選手権3位の実力国ドイツと強豪が顔を揃えた。
迎え撃つのは、及川晋平ヘッドコーチ率いる日本代表。
屈辱の9位に終わったリオパラリンピックから2年。世界との距離は縮まったのか、それが試される絶好の機会。
単身でドイツに渡り武者修行。肉体改造にも取り組み、さらなる飛躍を誓う香西宏昭選手。パラリンピック4大会連続出場を誇る代表の大黒柱、藤本怜央選手に加え、17歳でリオパラリンピックに出場した次世代のエース、鳥海連志選手や、23歳以下日本代表のキャプテン、古澤拓也選手も急成長。
若手とベテランが融合した新チームは世界の強豪を次々と撃破し、決勝進出。
迎えた決勝には、上田晋也が緊急参戦。日本代表の戦いに熱い声援を送った。
東京パラリンピックの会場で行われた、三菱電機ワールドチャレンジカップ2018。初戦ドイツに快勝した日本、2戦目の世界選手権2連覇の強豪・オーストラリア戦では香西選手が輝きを放った。試合開始から、わずか33秒。
なんと、1人で22得点の大活躍。頼れるベテランがチームに勝利をもたらした。グループリーグ最終戦の相手は世界ナンバーワンプレーヤー。パトリック・アンダーソン擁するカナダ。この試合では、若手選手が躍動。日本は全勝でグループリーグを突破。見事、決勝進出を決めた。
決勝の相手は、グループリーグで接戦を演じたオーストラリア。2年後の東京へ繋がる大事な一戦。
上田「今日は女子日本代表の岩佐ヘッドコーチ、藤井コーチ、佐藤コーチにいろいろお伺いしたいと思います。岩佐ヘッドコーチ、試合の見所をお伺いしたいのですけど、どの辺でしょうか?」
岩佐「予選では勝っているんですけど、最後の戦いになるとまた違う戦いになると思うんですけど、展開の早いバスケットボールが見所だと思うのですが、お互い似ているチームですので、その辺もかえって面白いかなと思います。」
開始直後、日本は24番の村上選手、11番の藤沢選手の得点で試合を優位に進める。
上田「藤井コーチ、改めて、今回車いすバスケットボールを初めて見る視聴者の方に、この辺のルールを押さえていたらいいよというのがあったら教えていただきたいんですけど。」
藤井「一番大きなルールの違いとしては持ち点制度があるということですね。選手一人一人に持ち点が与えられていまして、一番障害の重い選手が1.0、続きまして1.5、2.0、2.5と0.5刻みで4.5まであります。4.5の選手が一番障害の軽い選手となります。それをコート上は5名でやりますので、5人の合計持ち点が14点以下で構成されている。コートの中では(障害の)軽い選手が(障害の)重い選手を助けながら平等性を持ったルールになっているので、いろんな選手が楽しめるスポーツだと思います。」
試合はその後、オーストラリアが連続得点を決め同点に。
上田「やっぱり日本というのは外国チームに比べると高さというのは非常に不利な点があると思うのですけど、そういう意味では秋田選手の高さというのは非常に大きなポイントの一つなのでしょうね。」
藤井「現日本代表でも、彼が一番サイズの大きい選手だと思います。なので、やっぱり彼が入ってきたというのは日本にとってものすごく大きな武器になると思います。それでいて彼は(持ち点)3.5の選手ですから、たいていビッグマンというのはクラスフォー、(持ち点)4.0、4.5の選手なんですけど、彼はやはり(持ち点)3.5であの高さを持っているというのが一番の強みですね。」
すると、キャプテン豊島選手のアシストから、秋田選手がゴール。
ここで、第1ピリオドが終了。日本は4点リードで第2ピリオドを迎える。
続く第2ピリオドは開始早々、村上選手が連続ゴール。オーストラリアを突き放す。しかし、残り1分。オーストラリアにシュートを決められ、同点に追いつかれると・・・前半終了間際には、ブザービーター。2点をリードされ試合を折り返す。
そして第3ピリオド、オーストラリアに3ポイントシュートを決められ点差は5点に。5点差を埋めるべく、日本は川原選手、藤本選手をコートに送り出します。すると、香西・藤本コンビが、その実力を発揮。香西選手のアシストで藤本選手がゴール。なおも、香西・藤本コンビで得点を重ねた日本は逆転し、3点リードで第3ピリオドを終えた。最終第4ピリオド、開始直後からオーストラリアが4連続ゴール、5点のリードを許す苦しい展開に。この状況を救ったのがキャプテン豊島英選手。香西選手のゴールをアシストし1点差。さらに、自らのシュートで逆転に成功。勢いづく豊島選手、連続ゴールでオーストラリアを突き放す。
なおも攻撃の手を緩めない日本、香西選手が連続ゴールを決め、その差を7点に広げると、とどめはキャプテン豊島選手。
そして、見事日本が大会初優勝を成し遂げた。
リオパラリンピックの屈辱をバネに見事優勝を果たした日本代表。
そして試合後、決勝でチーム最多タイの14得点を挙げた香西宏昭選手を上田さんが直撃。
上田「おめでとうございます。見事な優勝でした。率直なお気持ちをうかがってもよろしいでしょうか」
香西「本当に疲れたといいますか、これだけ走る展開のバスケットボールをしているので、もう体力的にもギリギリだったんですけど、皆で勝てて本当に嬉しかったなって思います。」
上田「大会前に思い描いていたバスケットボールが今回、出来た感じですか」
香西「その形の片りんは見せられたかなと思います」
上田「今大会を振り返って、点数を100点満点でつけていただいてもよろしいですか」
(香西選手がフリップ出して33点)
上田「33点!低くない!?赤点じゃないですか。」
香西「そうですね」
上田「そんなことないでしょ」
香西「及川ヘッドコーチと、東京に向かううえで上がっていくということで、前回の稚内合宿、この1週間前に稚内合宿をしていたんですけど、そこで『30点だね』と言われていて、今年のうちに35点にいければいいということなので、ちょっとこの大会で上がったかなということで33点にしました」
上田「逆に言うと、まだまだここから伸びしろが67点分あるとその67点分の課題みたいなことを教えていただいてもよろしいですか」
香西「この走る展開のバスケットボールで、体力が最後まで残らない、続かないというところのスタミナがあります。それを世界選手権だったり東京パラリンピックでは8試合続けることになっていくので、その体力はまだまだありません。やっぱりそこが大きいですね」
上田「最後に、2020年に向けての意気込みをお願いできますでしょうか」
香西「やっぱりこのパラリンピックの会場で大会を開いていただいて、本当にまず感謝しています。こんなふうに皆さんに応援していただいて本当に嬉しいです。こんなふうにまた2020年もまた金メダルを取って、というのを目指して頑張っていきたいと思います」
続いて話をうかがったのは、こちらもチーム最多タイの14得点をマーク。キャプテンの豊島英選手。
上田「見事な優勝でしたけど、まず、今のお気持ちを伺ってもよろしいでしょうか」
豊島「この大会をまず優勝ということで目標設定していたので、それを達成できたというのが何よりもうれしく思います」
上田「今大会を振り返って、ご自身の自己採点を100点満点でつけていただいてもよろしいですか」
豊島「難しいですね」
上田「一応、皆さんに点数をつけていただいてお伺いしているんですけど」
豊島「・・・」
上田「もしあれだったら3日ぐらい待ちますんで。待てるか!そんなに!」
豊島「書きます!ななじゅう・・・」
上田「じゃあ、出していただきましょう。75点。良かったところから伺いましょうか。どの辺が良かったですか」
豊島「良かったところ。ゲームを通して安定したディフェンスだったり、もちろんシュートを落とすこともありましたけど、チームの流れを引き寄せた部分とかは評価できる部分かなと思います」
上田「じゃあ、あと25点、課題はどの辺なんでしょうか」
豊島「もっとパスミスだったり、フリースローだったり、そういった細かいところをまだまだ磨いていかないといけないと思ったので、この点数にしました。まだまだ2020年に向けてトレーニングを積んでいかないといけないので、まだ伸びしろという部分でこの点数にしました」
上田「じゃあ改めて2020年に向けての意気込みをお願いできますでしょうか」
豊島「この大会で優勝できたというのは、ひとつの目標だったので嬉しく思いますし、この勢いを2020年にまでつなげてもっともっと日本のレベル、質というのを上げていかないと他国もあと2年で伸びてくると思うので、それに負けないだけの伸びしろを日本が表現できたらなと思います。東京パラリンピックでは今までにない成績、メダル獲得、金メダル目指して頑張りたいと思います」

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